「働きたいアジアの国ランキングで日本最下位」の結果に驚くのは日本人だけという笑えない話


以前の記事で、「移民の規制を緩和して労働者を受け入れるようになったら移民が押し寄せてくる」などという心配は無用だということを書きました→「【単純労働の外国人受け入れ】移民が増えたら心配?日本で働きたい外国人なんて多くないから心配ナシ!

「こんなブラック企業文化が当たり前のように根付いている日本で働きたい人なんてほとんどいない」というのが私の意見なのですが、それを裏付けるような調査結果を見つけました。

高スキル人材の人気度でアジア最下位

以下のThe Japan Timesの記事によると、高度なスキルを持っている人たちを対象にした調査で、働きたいと思う国ランキングにおいてアジア11国の中で最下位だったそうです

Japan ranks dead last in Asia for top foreign talent | The Japan Times

まあ、何度も言っている通り、日本の労働環境を見れば当然の結果なんですけどね。

旧態依然とした奴隷のような労働環境だと分かっていて、わざわざ日本に来て働きたいなんて思う人なんていないんですよ。

上のThe Japan timesの記事のコメント欄にはたくさんのコメントが投稿されていますが、その中で実際に日本で働いたことがあるという人のコメントを一部紹介しましょう。

「日本の企業は外国人の目から見ると、非常に閉鎖的で、歓迎されていない感じがする。人種差別や偏見、性差別、いじめがあり、排斥的で外国人嫌いだ。また、外国人スタッフに対して、職業保障、報酬、訓練、キャリア昇進の機会などをほとんど与えない。そして、外国人は常に『二流の消耗品』の扱いを受ける。そして、給与は日本の生活コストを考えると、その他の発展途上国にも劣るレベルだ

どうですか?

これが、日本で働いたことのある人の生の意見、そして日本の現実です。

日本がアジアで1番だと思っているのは日本人だけ

この調査は高いスキルを持っている人達を対象とした調査なので、政府が規制緩和しようとしている「単純労働」をする人材の場合は話が違ってくるかもしれません。

ただ、単純労働の現場にしたところで、結局、高度なスキルが要求される職場と同じかそれ以上にブラックでしょうから、日本の労働環境の酷さを知らずに日本に来て現実を目の当たりにした外国人たちが逃げ出すのは目に見えてます。

つまり、日本の労働環境の現実を知っている人は日本に来ないし、知らない人は、「お、スキルが無い俺でも日本で働ける!」と言って喜んで日本に来て、その労働環境の酷さに直面して去っていくというわけです。

ところで、冒頭のThe Japan Timesの調査で、他にどんな国と比較されたか気になりませんか?

全11か国は以下の通りです。

  1. シンガポール
  2. 香港
  3. インドネシア
  4. マレーシア
  5. タイ
  6. フィリピン
  7. 中国
  8. インド
  9. 台湾
  10. 韓国
  11. 日本

日本人だったら、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンなどは、「日本のほうがこれらの国より遥かに進んでいる」なんて格下に見ている人がほとんどではないかと思います。

でも実際は、日本に来て働きたいなんて思われていたのはバブルで景気が良かった頃くらいです。

景気が悪い上に、労働環境で見たら日本なんて本当にクソレベルなんですよ。

今となっては、「日本?あんな国で働きたくない」と言われるのが現実なんです。

いや、大げさに言ったりとか、私の偏見とかじゃありませんよ。

実際、私の周りのオーストラリア人で日本のことを知っている人は今までのところ、100%そう言ってます。

それなのに、未だにバブルの頃の意識のまま、「日本はいい国だから外国人(特に発展途上国のアジア人など)は日本で働きたい・住みたくて仕方がないのだ」と思っている日本人がいかに多いことか。

日本で残業が無かったり有休がきちんと取れる企業は、「ホワイト企業」などといって称賛されますが、海外ではホワイトが当たり前なんですよ。

あ、「海外」と一括りにするとなんだかんだ言ってくる人がいるので、「少なくとも私が住んでいるオーストラリアではそうです」と言い直しておきます。

まあ、その他の先進国でも同様でしょうね。

日本ほどブラック企業が蔓延している国は、他の先進国には無いと思います。

オーストラリアではホワイトがほとんどで、ブラックはごく一部。

日本ではブラックばかりで、ホワイトがごく一部です。

あ、私が言う「ブラック」と言うのは、「残業・パワハラだらけで過労死するレベル」ではなく、「残業が少しでもあって、なおかつ残業代が出ない会社」のことです。

オーストラリアでは完全週休二日で残業が無いのが当たり前で、残業したら残業代か代休が出るのが当たり前、そして、有休は100%消化が当たり前ですからね。

要するに「外国人はみんな日本で働きたい・住みたいと思っている」などと勘違いしているのは海の外の世界を知らない日本人だけなんです。

私が言っていることが理解できない人でも、海外に出てその労働環境を見たらきっと分かると思いますよ。

外国人が働きたいと思う国ランキング(追記)

この記事を書いてから1年になりますが、2019年9月に外国人が働きたい国ランキングが発表され、それについて書かれた記事があったので紹介しておきたいと思います。

「外国人が働きたい国」で日本が33カ国中32位――この国の“真に深刻な問題”とは (1/3) – ITmedia ビジネスオンライン

詳しくは是非、元記事を読んでもらいたいのですが、ポイントは以下となります。

日本のランキングが著しく低いのは、何かが大きく足を引っ張っているのではなく、全ての項目において評価が低いことが原因である。具体的に言うと、賃金については最下位、ワークライフバランスについても最下位、子どもの教育環境についても最下位であった。

要するに、日本ほど酷い労働環境の国は先進国には無いし、それどころか後進国よりも酷いということです。

少々気になるのは、日本よりランクが上位の国の中に、ベトナム(10位)、フィリピン(24位)、インドネシア(31位)といった国が入っていることである。

安倍政権は、深刻な人手不足に対応するため、外国人労働者の本格的な受け入れをスタートしており、日本は事実上の移民政策に舵を切った。日本企業が求めているのは安価に雇える外国人労働者であり、具体的にはフィリピン、インドネシア、ベトナムといった国からの来日を想定している。

「少々気になる」どころじゃないですね。

ベトナム、フィリピン、インドネシアなどと言うと多くの日本人は「格下」に思っているのではないかと思います。

こういった国々は急速に経済発展を遂げてきているので、格下だと言っていられるのも今のうちだけでしょう。

そう遠くない未来、これらの国々の人達に「日本は経済は良くないし、労働環境も最悪」と言われるようになるでしょう。

こんな国で「ベトナム、フィリピン、インドネシアからの労働者を受け入れるからありがたく思って来なさい!」なんて上から目線で言ったところで、日本の実態を知る人は絶対来ないわけです。笑っちゃいますね。

ちなみに、私が最初にこの記事を書いた時には「日本には多くの外国人労働者が既にいるのを知らないの?」というような意見も貰いましたが、日本の悪名が知れ渡ってきていることはこのランキングを見れば明白であり、この酷い待遇が改善されない限り、日本に来る外国人労働者は減っていくのではないかと私は考えています。

ところで、なぜ日本の労働環境が酷いままなのか分かりますか?

会社・経営者がブラック思想なのはもとより、ブラック環境に反発するべき社員が社畜・経営者目線思考だからです。

これでは労働環境が良くなるはずがありません。

こんな話に興味のある方は以下の記事を読んでみてください。

違法行為をする会社を棚に上げ、社員や新卒を批判する日本の勘違い社員たちまず、いきなり記事とは関係のないことで恐縮ですが、このブログも今回の記事でちょうど100記事目になりました。まだまだ小さ...
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