テレワークの「働きぶりの“見える化”をする!」で見える日本の悪しき労働文化


新型コロナでリモートワークの導入が増えているのはみなさんご存知の通りです。

私は毎日の通勤や数々の意味のないミーティングに費やされる無駄な時間に嫌気がさして脱サラしました。

今はフリーランスでリモートワークしていますが時間の使い方に関しては完全に自分の思い通りにできるようになり、上記のような強制された無駄が一切無くなったことに非常に満足しています。

通勤は勿論ありませんし、ミーティングも必要最低限です。

そういう意味で、この機会にリモートワークが推進されるのはとても良い事だな・・・

と思っていたら、がっかりするような話を目にしてしまいました。

リモートワークにも悪しき日本の働き方が・・・

がっかりした話は以下の記事です。

テレワーク 働きぶりの“見える化” 導入広がる 新型コロナ | NHKニュース

テレワークを導入する多くの企業が悩むのが、社員が自宅で本当に働いているのか、仕事が滞りなく順調に進んでいるのか、働きすぎになっていないか、見えなくなることです。

この企業がテレワークを始める時に導入したのが、パソコンのクリック一つで勤務時間が管理できるシステムです。パソコンのデスクトップ上に、「着席」「退席」というボタンがあり、テレワークを行う社員が業務の開始時と終了時にそれぞれクリックするだけで、自動で日々の勤務時間を管理してくれます。

また、昼食などで休憩に入るときも、そのつど、「退席」と「着席」のボタンをクリックすることで、休憩時間も1秒単位で記録されます。

記録された内容はシステム上で管理され、会社の上司は、部下が今働いているのかどうかや、月の勤務時間がどれくらいになっているかを確認できます。

さらに、このシステムでは、社員が「着席」のボタンを押して仕事をしている間の、パソコンの画面がランダムに撮影され、上司に送信される仕組みもあります。いつ画面が撮影されるか社員には分かりません。

これを読んで思い出したのが、「社員を居眠りさせないようにするシステム」「笑顔でないと押せないタイムレコーダー」の話です。

長時間労働が生産性を高めると未だに信じている日本企業はいずれ衰退する「オフィスでの居眠りを防ぐシステム」といい「笑顔でないと登録できない出退勤管理システム」といい、なんで皆「根本原因解決にならない...

今回めでたく?この「アホシステム」に新たなシステムが加わりました(笑)

まともな企業も増えてきているとは思いますが、未だにこういった働かせ方をすることが良いことだと信じている会社の話を見ると日本の労働文化に失望せざるを得ません。

仕事の評価基準がナンセンスな日本的労働

多くの海外の国で、仕事上で評価されることは「どれだけ成果を上げたか」、つまり成果主義です。

これは私が実際にオーストラリアの現地企業で12年強働いていても実感したことです。

前職では毎年1回上司と1対1でミーティングをし、前年度どれだけの成果を上げたかを話し、上司も部下の仕事ぶりについて評価していました。

この上司からの評価はどれだけ成果を出したか、関係者とのコミュニケーションはどうだったか、関係者からの評価はどうだったかというのが中心でした。

「遅刻が多い」「早退が多い」「取った有給が多い」などというものは一つもありませんでした。

このブログをある程度読んでくれている方であればご存知だと思いますが、オーストラリアの会社は毎日の勤務にしても1分単位で遅刻したとか早く帰ったとか、そんな非生産的なことにはこだわりません。

月に何回かは家で仕事をしていましたが、当然「今着席しました」「今トイレに行きます」なんて報告をしたことはありませんし、デスクトップのキャプチャを送って仕事ぶりを見られたこともありません(書いていてあまりのバカバカしさに改めて笑ってしまいました)

これとほぼ正反対と言っていいのが日本企業の評価方法です。

もちろん、成果を全く評価しないということは無いでしょうが、いくら成果を出していても出勤時間や退勤時間が適当だったりするとそれだけで「あいつは『社会人』としての自覚が~」などと言われ、評価が下がります

会社にとって大事なのは

「社員がどれだけ成果を出して会社に利益をもたらした」かでしょうか?

「社員がどれだけ長時間オフィスにいたか」でしょうか?

私が日本企業の働かせ方や評価に心からがっかりするのはこのことです。

日本企業はなぜ社員を縛りたがるのか

少し前にどこかの記事で、「欧米の企業では誰もあなたが仕事をサボっているかどうかなど気にしない」という話を読みました。

なぜかというと、成果を出していなければクビになるからです。

逆に言うと、成果さえ出ていれば「時間通りに出勤しているか」とか「どれだけ残業して熱意を見せているか」などは問われないわけです。

ある人がサボっていて成果を出せずクビになったとしてもそれは自業自得なわけで、誰も気にしません。

気にするのは自分が成果を出せているかどうかだけで、他の人の心配をしたり、ましてや監視をしたりする必要など無いのです。

会社の第一目標は利益追求でありボランティアではないので、会社に利益をもたらさない人を切って、より利益をもたらしてくれる人を採用するというのは当たり前のことです。

なぜ日本の企業が社員のトイレの時間まで監視したがるかと言うと、それはやはり評価基準が成果は二の次で「仕事をする熱意をどれだけ見せているか」だからです。

わき目もふらずに仕事に熱中している(ように見える仕事に対する姿勢)や、無駄なサービス残業をして会社に貢献している(ように見える姿勢)をすることが何よりも大事なのです。

これさえやっていれば例え成果が出ていなくても「まあ、あいつは頑張ってるんだから」でなんとかなってしまいます

この評価基準がどれだけ会社にとって有害かを考えてみると、

  • 上司が部下の一挙手一投足まで監視しないとならない
  • 同僚がサボっていると「あいつはサボって同じ給料を貰っている。許せない」となり監視するようになる
  • 仕事に対する熱意を見せるために定時よりもはるかに早い時間に出勤したり無駄な残業をしたりする
  • 会社にとって無益な社員を雇い続けなければならず、有益な人材を採用する余地が狭くなる

ぱっと思いつくだけでもこれだけのことが考えられます。

「日本には日本のやり方がある!」「日本は海外と違う」などと言う人もいると思いますが、私にはこの日本的評価基準のメリットが思いつきません。

強いて言えば、能力が無い人でもお金を貰い続けられることでしょうが、能力が無い人はその職業にこだわらず、もっと貢献できそうな別の特性を探して別の仕事をしたほうがその人も会社も幸せになるでしょう。

社員が幸せに感じない働き方に利点はあるのか?

冒頭で紹介したリモートワークを監視するシステムの記事の中にビデオがあるので時間がある人は是非見てみて欲しいのですが、その中に出てくる社員の一人はこのやり方に相当ストレスを感じています。

「自分の一挙一動がどこかで監視されているかもしれない。郵便物を受け取るのすらためらう」

「離席したくても離席できないのが辛い」

「そこまでして管理されなければいけないのか」

まあ、当然の感情ですよね。

私が働いている会社でこのようなシステムを導入したら、さっさとその会社を辞めるでしょう。

これに対して、監視する側の上司は以下のように考えています。

テレワークを始めた当初は、部下の顔が見えなくなってコミュニケーションが難しくなることを心配していましたが、システムを通じて働きぶりが見えるため今のところテレワークは順調だと受け止めています。

直井さんは「ボタンを操作するだけで、勤怠をつけられるので簡単です。チームのメンバーの作業状況も管理でき、働きすぎている人はいないかというのも確認できるのが非常に便利で、障壁なくテレワークができていると思う」と話していました。

上司と部下の考え方のギャップがすごいですね。

これだけ縛り付けて部下がストレスに感じないのか、縛り付けてどれだけ成果が上がるのかなどと考えたりすることは無いのかなど、私にとっては疑問だらけです。

もっとも、このビデオに出ていた社員は「出てきた評価物でしか評価されなくなるのが怖い」とか言っているので矛盾してますけどね。

成果だけで評価されるのが嫌なら、仕事をしているアピールを評価することができるこのシステムはありがたい存在のはずですが。

いずれにしても、日本の会社はもっと何が重要なのか何が会社のためになるのかという本質的なところを考えて欲しいと思います。

昔ながらの社員を縛り付けるだけのやり方のままでは会社も社員も誰も幸せにならないでしょう。

長時間労働が生産性を高めると未だに信じている日本企業はいずれ衰退する「オフィスでの居眠りを防ぐシステム」といい「笑顔でないと登録できない出退勤管理システム」といい、なんで皆「根本原因解決にならない...
ABOUT ME
かわずん
かわずん
アンチ・ブラック企業ブロガー