日本の健康保険制度が外国人にタダ乗りされている?日本は甘すぎ?

最近、中国人が日本の国民健康保険を当てにして来日し、高額の医療費を安く抑える「医療ツーリズム」なるものが流行っているそうです。

来日中国人が日本の医療制度に“タダ乗り”しようとしている!? | 日刊SPA!

実は彼女の在留資格は、医療滞在ビザではなく、会社経営のために滞在する場合に発給される経営・管理ビザなのだという。留学ビザや経営・管理ビザ、就労ビザなどで日本に3か月以上合法的に在留するすべての外国人は、国民健康保険(会社員なら社会保険)への加入が義務付けられている。同時に、日本人加入者と同様の恩恵を受けることができる。

~(中略)~

薬価と患者の負担額の差額は、保険料と税金によって賄われていることは言うまでもない。Wさんは「保険料はきっちり払っている」と強調するが、前年に日本で所得のない彼女の保険料は、最低額の月4000円程度だ。

多くの日本人は、健康状態にかかわらず国保や社保の保険料を一生支払い続けなければいけない。治療目的で来日して国保に加入し、支払った保険料を大きく超えるような医療サービスを受けるというのは、公正とはいえない。

こんな不公平を放置していていいのか?

詳しくは前出の記事の本文を見てもらえれば分かりますが、中国国内では受けられない医療や、医療費が高額で支払えない人が中国の斡旋業者を通じて来日して日本の健康保険を使って安く医療を受けているというものです。

しかも上記の引用にあるように、来日目的は治療のためなのに斡旋業者によって目的とは異なるビザが発行されているようです。

治療目的のビザでは健康保険が使えないためです。

世の中、色々と抜け道があるものです。

こういう中国人の図太さというか、抜け目のなさには呆れを通り越して感心してしまうほとです。

私はオーストラリアに定住しているため日本の税金も健康保険料も年金も支払っていないので、そんな私が言うのもなんですがやはり日本が食い物にされているのを見ると良い気分はしません。

それに、引用文にもある通り、日本に住んでいる日本人は一生保険料を払い続けなければならないのに、滞在中に1ヶ月あたりたった4000円の保険料を支払っただけで治療を受け、治療が終わったら帰ってしまう中国人の話は不公平としか言いようがありません。

医療費の高騰による健康保険への圧迫が問題になっている上に、これらの医療費負担が日本人の税金と健康保険料から賄われているっことを考えると、このような中国人の存在は「医療費(税金)の窃盗」に近いものがあります。

ただ、このようなことを許してしまい、規制をしない日本の政府に根本的な問題があると思います。

たしかに中国の業者はビザを偽って斡旋しているかもしれません。

しかし、そのような問題のあるビザの申請を受理してしまうシステムにも問題がありますし、そもそも3ヶ月などという短期間の滞在でも外国人が健康保険が使えてしまう制度には疑問を感じずにはいられません。

理由があって放置している?

・・・などということを考えていたら、SPAから以下のような新しい記事が出ました。

来日中国人が国保に加入。大富豪でも「最低ラインの保険料」ですんでしまう状況を放置しているのはなぜ? | 日刊SPA!

 それでもこの状況を放置しているのはなぜか。上久保氏は話す。

「安倍政権も推進する『高度人材外国人の獲得』と関係があるのでは。実際、国保は生活にゆとりのない留学生にはありがたい制度で、そのおかげで有能な人材が日本に集まっているという側面もある。ただ、運用は厳格であるべきで、『日本滞在3か月以上』という加入要件は短すぎる。留学生は学校に保険料を支払わせる仕組みにするなどの対策も考えられます」

小坂氏はこう提言する。

「外国に拠点がある外国人という、ブラックボックス的存在を日本人と同じに扱うことが間違い。外国人で完結した保険制度を作るか、民間の保険で対応すべきです」

そういうわけで、政府も当然この問題は認識いるけれど、色々な理由があってこの問題を放置しているのではないかということです。

真相は分かりませんが、いずれにしても税金や健康保険料をきちんと払い続けている日本人からしたら面白い話ではないことは確かでしょう。

オーストラリアでの健康保険加入条件は?

この機会に、私が住んでいるオーストラリアではどのようになっているのかを調べてみました。

オーストラリアにも日本の国民健康保険と同じように”Medicare”(メディケア)と呼ばれる皆保険が存在し、主にオーストラリア国籍を持っているオーストラリア人と、国籍は持ってないもののオーストラリアの永住ビザを所持している外国籍の人が加入できるようになっています。

ちなみに私の場合は国籍は日本のままなので後者になります。

さて、メディケアに加入できる人の条件は以下の政府のサイトに明記されています。

Health care for visitors to Australia – Australian Government Department of Human Services

ここに書かれている条件は以下のとおりです。(英語のサイトなので日本語にしました)

  • オーストラリアに居住していてオーストラリア国籍を保持している人
  • オーストラリアに居住していてニュージーランド国籍を保持している人
  • オーストラリアに居住していてオーストラリア永住権を保持している人
  • オーストラリアに居住していてオーストラリアへのリターンビザ(永住権)を保持している人
  • オーストラリアに居住していて永住権を申請中で、かつ、就労許可を持っているか、オーストラリア居住のオーストラリア人か永住権保持者かニュージーランド人の親族がいることが証明できる人
  • 健康保険に関する提携を結んでいる国の国民の人

というわけで、かなり限られた人しか使えないようになっています。

もちろん、日本のように短期のビジネスや留学のビザで加入できたりすることはありません。

ちなみに私はオーストラリアで大学に通っていた時期は留学生という立場だったのでよく知っているのですが、「留学期間中は国から指定されている民間の保険に加入しなければならない」と決められていました。

この「国が指定している民間保険」はもちろん有料です。

保険会社が損をするような契約をするとは思えませんから、国と結託してここでも儲けているのでしょう。

いずれにしても、健康保険の財務状態を健全に保つため、そして、不公平がないようにするために、外国人が簡単に国民の保険料と税金で賄われている健康保険を使わせないようにするのは当然のことだと思います。

医療費はモノによってはとても高額になりますから、規制が厳しくなければそれを利用しようとする人は当然出てくるでしょう。

こう考えると、留学生や、ましてやビザを偽って訪日する「医療ツーリズム」の外国人に簡単に加入を許してしまう日本の制度は本当に甘いものだと言わざるを得ません。

実は外国人だけではない

ところで、医療費の節約のために健康保険に一時的に加入しているのは外国人ばかりではありません。

私のように海外に住んでいて、一時帰国する時に住民票を戻して健康保険加入する人もたくさんいます。

一時加入の典型的な理由は歯科の受診です。

他の国がどれくらいのコストがかかるのか分かりませんが、オーストラリアでは歯医者のコストはとても高いです。

例えば私のかかりつけの歯医者は検診と歯石を取るクリーニングだけでなんと140ドル(約12000円)も取ります。

しかもメディケアは歯科に関しては一切カバーしてくれません。

私は民間の保険に加入していますが、この民間保険がある程度カバーしてくれるようになっています。

民間保険に加入するかどうかは個人の自由なので、加入していない人は歯科にかかるコストは全額自腹ということになります。

そういうわけで、歯医者もきちんと7割も負担してくれる日本の国民健康保険は相当太っ腹です。

日本で国保で歯科の検診を受けたら自費で払うのは数百円くらいではないでしょうか?

そういうわけで、海外に住んでいる日本人が虫歯になったりすると「次の一時帰国の時まで我慢して日本で治療をしよう」という人がたくさんいるわけです。

以下のサイトに海外在住の人が健康保険に加入するために住民票を戻す場合のメリットとデメリットが出ています。

一時帰国で「住民票」戻すための条件やメリット、デメリットなどまとめます。

このサイトによると、デメリットは以下の通りです。

  • 住民税の支払い義務
  • 国民健康保険料の支払い義務
  • 年金の支払い義務

詳しい条件に興味がある人は上のサイトを見てみて欲しいと思いますが、これらのどの支払い義務も日本に数週間程度の短期しか滞在しない場合は免除されるものばかりです。

こんなことを書くと帰国の度に住民票を戻して健康保険を使っている海外在住の日本人に非難されそうですが、この件もやはり医療が目的で一時滞在している中国人が保険の恩恵を受けるのと同じ問題なわけで、保険料や税金を定期的に支払っている人達が搾取されているということに変わりはありません。

ただ、海外在住の日本人が数週間で歯科などに使う医療費などは大した額ではないでしょうから、外国から保険目当てで押し寄せてくる外国人と比べるとそれほど大きな問題にはならないかもしれません。

いずれにしても、日本人が支払っている税金や健康保険料を食い物にして成り立っている「医療ツーリズム」などというものが存在するということを聞くと、もう少し日本はこのような点を厳しく規制する必要があるのではないかと感じます。

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