先日、私が地元のメルボルンで電車に乗っていた時のことです。
私はドアのすぐ隣の席に座ってスマホを見ていました。席は優先席ではない普通の席です。
しばらくするとかなり混雑してきて立っている人も結構きつい感じになってきました。
あと4駅ほどで私が降りる駅になる辺だったでしょうか。
突然白人の女性が
「ちょっといい?あなたの席に座らせてもらってもいい?」
と声をかけてきました。
私は突然のことで驚きましたが、とりあえず席を譲りました。
その女性は
「ごめんなさいね~。すごく混んでるから」
と言って座りました。
混んでいるから??
理由それだけ?
意味が分からず、私の頭は暫く混乱しました。
落ち着いてからその人を観察してみると彼女は年齢は大体30台くらいで特に健康に問題はなさそうで、身体に障害があるわけでもなく健康そうです。
持っている荷物といえば小さいショルダーバッグだけ。
これから会社に向かう途中という感じでした。
そしてどうでもいいことですが、座ってすぐスマホでゲームを始めました。
つまり私が推測するに、この人は単に混雑している電車で立っているのが嫌だっただけのように感じました。
私は怒る気は起きませんでしたが、「よくお願いできるな」と呆れてしまいました。
これってレディーファースト?
もちろんこの国には日本には無い「レディーファースト」という文化があることは知ってます。
私も過去に何度か、男性が普通に若くて健康そうで妊婦でもなさそうな女性に席を譲っているのを見たことはあります。
男性から譲るのはいいと思います。
席を女性に譲ろうと思うのはその人の自由ですし。
まあ、紳士ですよね。
しかし、女性の方から譲ってくれと言っているのを見たは今回が初めてです。
しかも彼女が言った理由が「混んでいるから」(笑)
それならその混んだ状況で代わりに立たされることになる私の立場って一体・・・
男性は混んでいる車内でも文句を言わずに立っていろってことですかね?(笑)
私のこの女性に対する正直な感想は「厚顔無恥」です。
要するに恥知らずです。
ちなみに、もしかしたら私が日本人だからそう思うのかと思い、何人かのオーストラリア人の知り合いや同僚にこの話をしてみましたが、みんな一概に「それはちょっと異常」という返事が返ってきました。
そのうちの一人は「その女はただのビッチだ」とまで言ってました(笑)
レディーファーストは当然?
さて、レディーファーストというと欧米の国に行った日本人の女性が現地の男性にチヤホヤされていい気分になり、日本に帰国すると
「日本人の男は全然気がきかない」
「レディーファーストができる欧米の男性は素敵」
などと男性がレディーファーストで女性に接するのが当然のように言い出す女性がいます。
そう言う女性には、私が昔どこかで聞いた話を紹介しましょう。
まず、一度英和辞書で”lady”を引いてみてください。
そこには「淑女」と書かれているはずです。
“lady”にはもちろん「女性」という意味もあり、それも辞書に書かれていると思いますが、こちらで”lady”という場合には多分に「淑女」という意味合いが含まれています。
外国人が”Ladies and gentlemen”と言っているのを一度は聞いたことがあると思います。
もちろん知っている方もたくさんいるかとは思いますが、これは直訳すれば「神士淑女のみなさん」ということになります。
つまり、レディーファーストというのは「淑女優先」なのです。
「女性優先」ではありません。
「淑女」を辞書で引いてみると、私の辞書には「品位のある女性」と書かれています。
「男性はレディーファーストをするべき」と主張する女性の方は自分によく問いかけてみてください。
あなたはレディーファーストを受けるだけの素養と資格のある「品位のある淑女」ですか?
少なくとも、淑女の人は自分からレディーファーストを相手に要求してくることはないでしょう。
自分の要求や権利を相手に押し付けるのはとても「レディー」のすることではありません。
それでは冒頭で紹介した、自分が混雑した中で立っているのが嫌だから席を譲ってくれと言ってきた無恥な女性と変わりないと思いませんか?
これを読んだ男性の皆さん、もし海外帰りの女性などから「日本人の男は白人の男に比べて女の扱いがなってない」「白人の男性はもっと親切」などと言われたらこの記事を思い出してください。
「でも君はレディーじゃないでしょ」などと言った場合の結果については私は責任はもてませんが(笑)
ところで日本では妊婦の人が電車に乗ると肩身が狭い思いをすることが結構あるようです。
妊婦の人が目の前に居たら「譲らないとならない」というプレッシャーを感じますよね?
そんな時はどうしたらよいのでしょうか?
妊婦なら無条件で譲るべき?
そんな話に興味があったら以下の記事を読んでください。
>>【妊婦に厳しい日本社会】日本人はなぜ電車に乗る妊婦を批判するのか?