海外と比べて日本の就活と面接官と就活生はなぜこれほどダサくて低レベルなのか?


日本の「就活」に疑問を抱き、就活のレールから外れてエストニアに渡った大学生の人の話↓をとても興味深く読みました。

就活をやめてエストニアへ そこで私が確信した日本と世界のキャリア観の決定的な違い (1/6) – ITmedia ビジネスオンライン

結構長い記事なので、興味のある人は是非本文を読んで欲しいのですが、忙しい方のためにできる限り簡潔にまとめておきます。

引用が多くなっていますがご了承ください。

この記事に出てくる大学4年生の齋藤侑里子さんは、「純粋に社会そのものや働くことに興味があった」ため、在学中は学生キャリア支援の団体や国内外の複数の企業でインターンを経験して、「意識高い系」と呼ばれていたそうです。

しかし、第一志望の会社の一次選考で挫折

 人生最初の挫折は「就活」。「キャリアとは、自分のやりたいこと、なりたい姿を自分の努力で実現するもの」と思い込んでいた彼女は、直感的に「違和感」を抱いてしまったのです。

「エントリーシートの添削、グループディスカッションや面接のロールプレイ。 俗に言う『就活対策』はしませんでしたし、選考でリクルートスーツを着る会社は受ける気にならなくって……(笑)」

「就活クチコミサイトに載っている情報の鋼を身にまとうより、これまでの経験、それを通じて培ってきたもの、自分自身からにじみ出てくるもので認められたい」、就活そのものに抗うかのようだった彼女は、第1志望だった会社の一次選考で、見事に「不採用」。一方で、「本命は別、これは練習」と、就活対策万全で臨んでいた隣の女の子は選考を難なく通過していったのでした。

 彼女が「本当の自分を見失」いそうになった就活とは、就活クチコミサイトの言葉を借りて作るエントリーシート、グループディスカッションの練習会、まるで就活のプロのような学生たち……。「そんなことで、自分の選択に納得感を持てるんだろうか」、そんな違和感をどうしても拭えなかったのだそうです。

そして、渡ったエストニアでは、日本で就活をする学生たちとは全く違った人達と出会います。

 そんな、刺激的な日常、「就活」という言葉がどうにも馴染まないエストニアで、齋藤さんは自身の就活・キャリア観を覆す同世代の人たちにたくさん出会ったと言います。 中でも、特に印象的だったのは、自分で会社を経営するエストニア人の男性。しかも、彼は10代の「高校生」。

齋藤さんが彼と知り合ったのは、エストニアの有名スタートアップのオフィスツアーでのこと。堂々とした立ち振る舞い、ネイティブレベルの英会話にすでに感心していると、その自己紹介で彼が高校生であることが発覚。

「まさか、高校生だとは。しかもその日は高校の授業があったそうなんです。ですが、自分に必要なインプットとネットワーキングを求めて、このオフィスツアーのために高校を休んで参加。自分が今、何をすべきかを考えて決断し、行動する姿勢は、勉強ができる・できないなんかより、素晴らしいと思いました」

~中略~

「エストニアでは、たとえ学生であっても、自分のやりたいこと、それまでの確かな経験をベースにキャリアが決まっていくんです。ですから、卒業後、または在学中であっても、自分のやりたいことに従って、インターンなどあらゆる機会を生かして経験を踏み、即戦力を身に付けていくんです。これは他の多くの外国でもそうだと思います」とのことです。

そして齋藤さんはエストニアで様々な活動を続けていき、エストニアのフィンテックのスタートアップからオファーを受けたそうです。

ダサすぎる日本の企業と就活

長い引用の後でまた別記事の引用で申し訳ないのですが、もう少しお付き合いください。

これまたITmediaオンラインの記事です↓

面接官は見ている! 選考でマイナス印象を与える「ささいな態度」とは – ITmedia ビジネスオンライン

題名の通り、日本の面接官がどういったところを見て不採用を決めるかという話です。

 中途採用に臨む人事担当者は、応募者の経験やスキルよりも人間性を重視している――。人材会社のONEの調査でこんな結果が出た。面接官に選考で重視するポイントを聞いたところ、トップは「人柄」(30%)。「志望動機」(19%)、「転職・退職理由」(19%)と続き、「経験・スキル」は11%にとどまった。

~中略~

一方、不採用にする理由として多かったのは「人柄が良くない」(31%)。「マナーや身だしなみがなっていない」(19%)も多かった。具体的なエピソードは、「面接の際、ひじをついて話していた」「受付スタッフへの態度は悪かったが、面接の時だけ愛想をよくしていた」などが挙がった。

このほか、人事がマイナスの印象を受けた例は「爪を切っていない」「肩に落ちたフケが目立つ」「スーツやYシャツがヨレヨレ」「たばこ臭い」――など。

「前職の不満・悪口が多い」「履歴書をしわくちゃの状態で渡してきた」「目が泳いでいる」との声もあった。

ダサい!ダサすぎる!日本の就活。企業も面接官も同じくダサい!

エストニアの学生の話と比べると絶望的なまでのレベルの低さです。

なぜ日本の就活がこれほどダサいのか?

なんでこんなにレベルが違うのか?

理由は明確。

それは、全員とは言わないまでも、エストニアの学生たちが高校生の頃から「自分がやりたいことは何か」を考え、それを実現するために積極的に動いているからです。

彼らにとって大学で学ぶことは希望する仕事を実現するための手段の一つです。

だから彼らは行きたい大学や学部、「何を学びたいか」が明確に決まっています。

そして企業は、彼らが求めているポジションで職務を遂行するために必要な能力を持っている学生を探して採用します。

一方、日本の学生は多くの場合、医学部などの一部の学部を除いて、大学はとにかく偏差値の高いところに行くことが目的で、「何を学びたいか」つまり、どの学部に行くかは二の次です。

大学に合格できたら、「バンザイ、バンザイ」で、「受験からやっと解放された。これから自由だ!遊ぶぞ~!」と喜び、入学後はバイトやサークルや遊びに時間を費やす。

一方、海外の学生は入学が決まったら、「これから頑張るぞ!」と気合を入れ、入学後は卒業まで遊ぶ時間もないほど勉強します。(オーストラリアの大学院を卒業した私の経験上、それくらい勉強しないと卒業できません)

本来、大学は自分が学びたいと思う分野の高度な知識を学ぶための場所であるはずなのに、日本の学生たちは学ぶ意欲も大して無く、「とりあえず単位が簡単に取れそうな科目」を選び、「とりあえず留年せずに卒業できればいいや」的な感じです。

なぜか?

それは学生たちを採用する企業が、どれだけ偏差値の高い大学を出たかばかりを重視するからです。

逆に、学生がどれだけその学位に対する分野に熱意を持っていて、それをどれだけ勉強してきて、どれだけ即戦力になるのかというのはほとんど見ません。

引用文内で紹介しましたが、「中途採用に臨む人事担当者は、応募者の経験やスキルよりも人間性を重視している」ということで、中途採用でさえもそうなのですから、新卒で知識なんて見るはずがありません。

エストニアを始めとする海外の企業とは正反対です。

ではなぜ日本の企業が大学の偏差値ばかりを重視するかと言うと、学生が取得した学位と希望職種が違っていても問題にしないからです。

むしろ、学位と職種が違うことが普通なくらい。

だから、「経験やスキルよりも人間性を重視している」なんていうことになり、「爪を切っていない」「肩に落ちたフケが目立つ」「スーツやYシャツがヨレヨレ」「目が泳いでいる」とか、そんなことで判断するしかなくなるわけです。

全然関係ない職種だから、経験やスキルなんてあるはずありませんし、そこで判断しようにもできないわけです。

これはオーストラリアでは(恐らくエストニアも含めたほかの国々でも)考えられないことです。

例えば、ITエンジニアを欲しがっている会社が文学部卒の学生を採用する可能性はほぼゼロです。

だって、そんなの学生にとっても会社にとっても全くの無駄ですから。

だから海外の企業は採用するときにチェックする箇所が全然日本とは違うのです。

もちろん、マナーや身だしなみを見るのが間違っているとは言いません。

オーストラリアでも、あまりにも態度が悪かったり、不清潔な人は「うーん」となると思いますが、やはり一番重要なのはその人物のその分野に対する知識や熱意なのです。

面接でも、日本のようにかしこまって両手を膝の上に置き、背筋をピンと伸ばし、ハキハキ話さないとならないとかそういったことは無く、あくまでも自然体で受け答えが出来ればそれでいいのです。

面接と言うのはどれだけ面接に対して訓練されているかを見せる場ではありませんからね。

いずれにしても、日本の会社がこんなアホな採用をしているものだから、学生達が「学部なんて適当でいいし、それを学ぶ熱意も意欲も無いけど、就職に有利だからそにかく偏差値の高い大学に行けばいいや」となるのは当然のことでしょう。

そして、いよいよ就活が近づいてきたら、面接官に気に入られる人間になるために、面接のロールプレイやディスカッションなどの就活対策に血眼になり、「就活プロ」を目指すのです。

情けないと思いませんか?

日本の学生たちがそんな下らない就活に時間を費やしている間に、エストニアの学生たちは自分たちが本当にやりたい事を追求し、CEOや投資家を始めとした様々な人達と会ったり起業したりしているんですよ?

これは絶望的な差だし、ダサすぎると思いませんか?

こうやって海外の学生や会社と比べると、日本の企業や面接官を始め、彼らに気に入られるように上辺だけ繕った「就活プロ」とか、本当にレベルが低くて情けなくなります。

結局、日本の企業の学生たちの採用基準を変えない限り、「バイトや遊ぶだけの大学生活」や「偏差値至高主義」は変わらないんだろうなと思います。

日本の経営者が盛んに「グローバル化」とか叫んでいますが、「こんな旧態依然としたやり方を続けているくせに、よく恥ずかしげも無くそんな言葉を言えるな」と私などは思うわけです。

今後、こういったことに気付いた「意識高い系」の人達はどんどん海外に出て行って、日本のダサい企業などは優秀な学生からは見向きもされなくなるでしょう。いい傾向です。

あなたが現在学生なら、この記事をここまで読んだのはラッキーです。

この記事を読んで何かしら思うところがあったら、時間があるうちに留学でもワーホリでもいいから少しでも日本の外を見ておいたほうがいいですよ。

そこから得られることはきっと人生の大きなプラスになるはずです。

そして、その経験は日本の低レベルな会社や労働習慣に騙されない人間にしてくれるはずです。

日本しか知らず、その常識にとらわれるのはとても危険なことなのです。

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ところで、ダサいと言えば、「雇ってやるぞ」とばかりに、なぜか上から目線であったり、何を勘違いしたか圧迫面接なんてやったりする会社があることも日本の特徴です。

海外では会社と求職者は基本的に対等なのですが・・・

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