職務中の警察官がナンパ?寛容なオーストラリア社会と厳しい日本社会

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警官が職務中にナンパ?

私は電車で通勤しているのですが、夜になると警察官がよく駅に巡回に来てくれています。

夜は酔っ払いとかおかしな人に出会う確率が多くなります。
こういうところは日本もオーストラリアも同じようなものです。

寒い日も暑い日もずっと立っていなければならないので大変な仕事だと思いますが、彼らがそうやって見回りに来てくれるおかげでとても安心できます。

ところでこうやって巡回している警察官は会う人とよく雑談したりしています。

少し前に駅で男性と警官が会話をしていたのでそれとなく聞いていたのですが、その時は警察官が警官の採用過程について説明していました。

きっとその男性が「どうやったら警察官になれるの?」などと質問したのでしょうね。

そしてつい先日も私が駅で雨宿りをしていたら他に雨宿りをしていた女性に警官が「仕事は何をしてるの?」と話かけ始めました。

その女性はどう見ても怪しい部類の人間ではありませんでしたし、警官のほうもリラックスした感じだったので「職務質問などではなくいつもの雑談だなー」と思いながら聞いていました。

そして、そのうち「今度の週末は何するの?」とか「俺は今週末は特にやることないんだよなぁ」などと言い始めました。

「おいおい職務中にナンパかよ!」とさすがにオーストラリアでもどうかと思いましたが、何よりも相手の女性もフレンドリーに話してるし、お互い楽しいのならこういうのもアリなんだろうと心の中で勝手に納得していました。

もっとも、この後すぐに会話は終わったのでナンパではなくて本当にただの雑談だったとも言えますが・・・

いずれにしてもいきなり見ず知らずの女性に話しかけたとしても警官なら怪しまれないですし、印象は悪くないと思うのである意味役得なのかもしれません。

まあ、この話をオーストラリア人の友達にしたところ流石に「公私混同じゃないの?」と笑っていましたが。

このように日本と比べるとオーストラリアの社会は良くも悪くもかなり適当で寛容なところがあります。

そういう適当さにイライラさせられることもありますが、こういう適当さは私は好きです。

人にもよるかもしれませんが、妙に肩肘張っている日本の警察官より余程いいと思います。

日本人は仕事中の人が仕事以外の事をすることが許せない

さて、たとえナンパでなく雑談だっとしても日本で制服を着た警察官が職務中にこんな風に女性と楽しげに話しているのを誰かが見かけてフェイスブックやツイッターで晒そうものなら大事になるのはまず間違いないでしょう。

「職務中にナンパなど社会をナメてる」

「税金で食べさせてもらっている公務員のくせにふざけるな」

などなど、社会から大批判を浴びるのは目に見えています。

そして警察は「警察官としてあってはならないこと~」などと形ばかりの謝罪をするわけです。

「警官が職務中にナンパ」というのは流石に極端な例かもしれませんが、いずれにしても日本の社会はとにかく職務中に仕事以外のことをしている人に対して異常に厳しいのが特徴です。

いくつかの例を紹介しましょう。

警察官は飲食をしているところを市民に見られてはならない

これはまた警察官の例になりますが、日本では警官が制服姿でレストランや外で食べ物を食べたりしません。

食べているところを見たことないですよね?

コンビニで買い物をしている警官を見たことがありますか?

自販機でジュースを買って飲んでいる警官を見たことがありますか?

少なくとも私は見たことがありません。

私の推測ですが、おそらく彼らは飲食物を買ったりするときはその都度着替えているのでしょう。

そうしないと例え昼休み中でも「職務中に買い物するな」などとクレームする暇な人間が必ず出てきますから。

警官だって人間ですから昼休みは必要ですし、腹も減ります。

そういう時になぜ制服を着て買い物をしてはならないのか理解できません。

それによって誰かが不利益を被るのでしょうか?

オーストラリアでは警官がカフェでコーヒーを買って休憩しているのはいくらでも見かけますし、お店でランチを買っていたりもしますがそのようなことに対して誰も文句を言ったりしません。

バスの運転中におにぎりはダメ

次はバスの運転手の話です。

私はオーストラリアでバナナを食べて運転している人を見かけたことがあります。

またラジオで音楽をガンガンかけているノリノリな運転手も結構います。

私は天気が良い時などは特にそういう光景を見たりその音楽を聴いたりするのが好きです。

また以前、信号で停止したと思ったら運転手が突然降りて行ってしまったことがありました。
「何があったんだ?」と思って見ていたら道端で配っているフリーのニュースペーパーを取って戻って来ました。

そのときはさすがにあまりの自由さに笑ってしまいましたが。

こんな運転手達に対して特に誰も批判をしたりしません。

さて次は日本の話です。

かなり昔(恐らく何十年か前)の話になりますが、日本でバスの運転手が信号待ちだったかの時におにぎりを食べていたら乗客がそれを見てバス会社にクレームをしたというニュースを見た記憶があります。

そしてその運転手は確か首になってしまったと記憶しています。

いくらなんでも首は厳しすぎだと思います。

いちいちそんなことでバス会社にクレームを入れる人も入れる人です。

それくらいの事で首になってしまった運転手には心から同情します。

仕事が無いのに夏休みに学校に行く先生達

日本の学校の先生たちは学校の夏休みに用もないのに学校に行くそうです。

なぜか?

「夏休み中も給料を貰っているのに休むなんてけしからん」という保護者からのクレームがあるからだそうです。

だから夏休みも先生たちは学校に行ってみんなでお茶を飲んで帰るそうです。

なぜそんなクレームをする人がいるのか?

それは、自分たちが仕事が休みの時にはお金をもらえないので、休み中にお金をもらっている先生達が羨ましいし許せないからでしょう。

そして休み中も先生たちを学校に行かせてそれで彼らも自分と同じ不幸な立場になったと溜飲を下げるわけです。

全く低レベルというか、人間が小さいというか・・・子供の喧嘩並みのレベルで情けなくなります。

学校の先生たちは学期中は時間外も授業の準備などをやらないとなりませんし、部活動とかに駆りだされても無給だったりして結構大変な仕事だと聞きます。

だから先生たちは「年俸制で給料をもらっている」と考えれば良いと思うのですが。

まあとにかく日本人は自分が大変なのに他の人が楽をしているように見えるとどうしても許せない性分の人が多いようです。

飲食店の店員は見えるところで食べてはならない

また飲食関係の話になりますが、日本では飲食店の店員も賄いなどを食べるときは必ずお店の裏で食べますよね?

もし客から見えるところで食べようものなら「店員が客が使うテーブルで食べるな!」「このレストランの従業員の教育はどうなってるんだ!」と言う人間が必ず出てきます。

例え席がたくさん空いていたとしてもです。

オーストラリアでは店員も普通に客が使うテーブルで食べています。

しかも店員の格好のままで。

私も日本の社会のルールに毒されていましたので、オーストラリアに来た当初はそういう光景を見て驚きましたが、考えてみると店員が食べているところを客に見せたからといって一体何だというのでしょうか?

何か客に不利益があるのでしょうか?

店員と一緒の空間で食べると食事がまずくなるのでしょうか?

レストランやカフェはオーナーのものであり客のものではありません。

そのオーナーが良いと思うのならば客につべこべ言われる筋合いはありません。

「他人を不幸にする」人達を生産する負の連鎖

いかがでしたか?

これらの原因は全て「職務中はXXでないとならない」というルールがいつの間にか強制力を伴った常識と化した社会と、それに便乗して自分の日頃の鬱憤をどこかで晴らしたいと思っている一部のクレーム好きな人間にあります。

クレーム好きな人間は得てして日頃から何かしらのストレスを抱えていて、誰かを批判したり貶めることで自分のストレスを発散しようとします。

そして、

「自分が不幸だから他人の幸福が許せない」
「自分が不幸だから他人を批判して鬱憤を晴らしたい」
「他人が不幸になるのを見ると幸せに感じる」
という人達が他人を批判する

「批判を受けた人がストレスを受けたり不幸になる」

「それらの人達がさらに他人を不幸にしようとする」

という悪循環を生み出しているのです。

こんなお互いに監視し合い、批判し合う社会は誰の得にもなりません。

そしてそうやって他人を批判する人達も結局は自分達自身がまた他の人からの厳しい監視の目や批判に縛られて息苦しい人生を送らされている事に気付いたほうが良いでしょう。

全ては自分に返ってくるのです。

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