日本はもうすぐゴールデンウィークですね。
連休の計画を楽しみにしている人もいるでしょうが、なんと50%以上の人が仕事をする可能性があるそうです。
大型連休なのに……「仕事する」が約半数 – ITmedia ビジネスオンライン
ゴールデンウィーク(GW)休暇中に仕事を行う予定はありますか?――GWに休暇を取る予定のビジネスパーソンにこう尋ねたところ、全体の52.2%が「仕事をすることがある」と答えたという。
リモートコントロールソフトなどを販売するTeamViewerが、20~50代のビジネスパーソン439人の回答をまとめた。それによると、全体の86.1%が「GW中に仕事をしたくない」が、実際には約半数が仕事をするという結果に。
日本の相変わらずの状況に心からがっかりさせられる数字です。
働き過ぎの人が後悔すること
ここで重要なのが「働く予定」だと言っていると言っていても「GW中に仕事をしたくない」と思っている人がほとんどだということです。
当然ですよね。
せっかくのお休みなのにわざわざ働きたいと思う人などまずいないでしょう。
「社会人としての自覚が~」とか「給料を貰っている(実際は休日なので無給でしょうが)以上は必要なら仕事をしないと」などと言う人も言わない人も、実際は休日まで働きたくないというのが本音なのです。
中には記事でも指摘されている通り「休みでも働きたい」という奇特な人も少数ながらいるようです。
いつもの私なら「本当に働きたいと思う人はどうぞご自由に」と言うところですが、休まず働きたいと思う人もそうではない人も以下の記事を是非読んでもらいたいと思います。
死ぬ寸前まで後悔し続けるかもしれない5つの行動 | ライフハッカー[日本版]
記事のタイトル通り、5つの「死ぬ寸前まで後悔し続けるかもしれない」行動が書かれていますが、ここでは記事中の2つ目の行動「必死に働き過ぎた」に注目したいと思います。
懸命に働くことは、世の中に影響を与えたり、学んだり成長したり達成感を抱いたりするには良い方法ですし、幸福感さえ感じられることもあります。しかし、家族や恋人などもっとも親密な人たちを犠牲にしてまで頑張るのは問題です。私たちは大切な人のためにお金を稼ごうとして頑張ることが多いのですが、相手はお金よりもあなたと一緒に過ごす方が大切だと思っているのに、それに気づけないのは皮肉なことです。ここで鍵となるのは、自分がやりたいことと愛する人たちと一緒に過ごすことをうまくバランスさせられるようにすることです。そうでないと、ある日人生を振り返ってみたとき、もっと大切な人たちと一緒に過ごせ ばよかったと後悔することになるでしょう。
どうでしょうか?
「休みの日も働く」と言う人は二度と無い貴重な人生の時間を家族と過ごすよりも仕事に費やしても後悔しないと言い切れますか?
もちろん、「会社からの命令で仕方がなく」と言う人もいるでしょう。
「働きたくないけど働かなければならない」という人は殆どがそんな理由でしょう。
しかし、休日なのに働かなければならない社会というのは日本の外から見ると本当に異常なのです。
オーストラリアでも休日でも働く人はいる
実は私の会社の上司などは休日でもメールをチェックしていますし、緊急の問題が起こったら対応します。
なぜなら彼らの職務には元々そのような対応も含まれていますし、そのために日頃からより多くの給料をもらっているのです。
しかし平社員よりも高い給料を貰っているからと言って日本の管理職のようにサービス残業やサービス休日出勤をするわけではありません。
休日に働いた場合は当然のごとくその働いた時間に応じた代休か給料が支払われます。
そもそもオーストラリアでは週末に働いた場合は通常の1.5倍の給料を、そして、祝日に働いた場合は2倍の給料を支払わないとならないと法律で決まっています。
これを破った会社にはかなり重い罰金とペナルティーが課されますから、わざわざ高い給料を払ってまで休日に社員を働かせたいと思う会社はほとんどありません。
仕事よりも大事なものとは?
私が今まで働いたオーストラリアの会社はとにかく「家族と自分自身の幸せが第一」というスタンスでした。
特に今の私の会社では事ある毎にそのことについて上司から言われます。
「あなたの健康が一番大切。体調が悪かったらまずは医者に行ってそれから家でゆっくり休んで完全に治ってから仕事に来るように。」
「あなたの家族やあなた自身が幸せであることが最重要。なぜならあなたが不幸せであったら良い仕事など出来るはずがないし、ましてや仕事を通じて他の人を幸せにすることなどできるはずがないから」
そしてこのような考えは私の上司のようなマネージャクラスの人間だけでなく、社員一人一人にまで浸透しています。
私が今までに実際に経験した例を2つほど紹介しましょう。
私が担当していた仕事で大きな問題が発生して一刻も早くその問題を解決しなければならないという状況になったものの、私の退社時間が来てしまい、さらにその後にプライベートで外せない予定があった私は「今日はもう帰らないとならないけど、今夜家に帰ったらさらに調査するから」と言ったことがあります。
日本だったら大きな問題が発生していたらプライベートな予定を優先して「帰ります」ということ自体あり得ないことです。
そもそも日本の場合は何も問題が無くても定時に退社することが快く思われない会社が多いので問題が起こっていたりしたら帰れるはずがありませんね。
しかし、問題が起こっていようと勤務時間が終わったら基本的には仕事はしないオーストラリアでは当然のことです。
さて、「とりあえず今は帰るけど、後でまた仕事をする」と言った私にその相手がどう言ったかというと・・・
「あなたの貴重なプライベートの時間を費やしてまでやる必要は無いわ。こちらで他の方法を考えてみるから。もし解決しなかったら明日お願い。今日の残りの時間を楽しんでね。」
です。
日本の会社で聞けるものならばこのセリフを聞いてみたいものです。
また別の件での別の担当者(仮にAさんとします)と私の会話はこんな感じでした。
私 「もう帰らないと」
Aさん 「え?そうなの?困ったわ。○○(上司の名前)は対応できないの?」
私 「彼は今日は風邪でお休みだよ。しかも結構悪いみたいで来週の火曜日までは来れなそうだって」(ちなみにその日は金曜日)
Aさん 「えええー!」
Aさんはかなり困っていましたが本当に緊急な問題だったにも関わらず彼女も最後まで「家に帰ってから仕事をしてくれない?」とか「なんとか残業できない?」とは言ってきませんでした。
ちなみにこの時は結果的に他の部署の人が行った作業が問題の原因だったことが判明し、そちらの人が直してくれて全てが上手く収まりました。
重要なポイントはどちらの場合も「勤務時間外のプライベートな時間を不当に侵害してはならない」という考えを全員が持っているということです。
人間は本当に大切な物ほど忘れがちになる
仕事とは少し違う話ですが、日本人はよく上司やお客さんにはとても愛想良くするけれど、より身近で大切な存在である親や奥さんなどにはそこまでしないということを言っていた記事をどこかで読んだことがあります。
私もこれについては本当に同感です。
もちろん、お世辞とか愛想というのは社会ではある程度必要でしょうし、また、家族に対してお客さんにするように愛想を振り撒く必要はないでしょう。
しかし何か困ったことがあった時に無条件で力になってくれるのはより身近な人達です。
会社やお客さんなどは大抵が「仕事の切れ目が縁の切れ目」です。
サラリーマンであれば仕事は定年までで終わりですが、家族との時間はその後も続きます。
退職したら家に居場所がないという男性の話をよく聞きます。
それはそれまでの人生の時間を仕事にばかり費やし、家族との時間を顧みなかったからでしょう。
人間、身近に常にあるものはいつしか「あって当然」という感覚になりその大切さを忘れがちになります。
そして失ってからそれが大切だったと改めて気付くのです。
それでは遅すぎます。
前記の記事の通り、貴重な人生の時間を仕事にばかり費やしているときっと後悔することになるでしょう。
ではどうするべきなのか?
今すぐ「休日でも必要なら仕事をしろ」というのが常識の社会や環境を変えるのは難しいでしょうから、まずはいつも身近にいてくれる大切な人達のことを改めて考えてみて、そしてこの連休は仕事はせず可能な限りその人達と一緒に時間を過ごしてみてはどうでしょうか?
ところで、有給休暇を取りたくても、「周りに迷惑がかかるから」と気になって取れない人は多いと思います。
また、有給を取ろうとする同僚に対して「周りの迷惑を考えろ」などと言う人もいます。
もしかして、あなたはこのどちらかですか?
そうだったらそういう考えはもうやめたほうが良いでしょう。あなた自身のためにも。
理由を知りたい方は以下の記事どうぞ。
>>有給を申請すると文句を言われる?同僚が有給を取るのを迷惑と言う人間こそが迷惑である理由。