【高収入な人でも会社と交渉できない】高プロが採用されれば会社に一方的に有利な契約になるワケ


前回の記事、『「高プロ」で労働者がさらに過酷な「奴隷人生」を送るハメになる理由』において、「日本では会社のほうが労働者よりも力が強いから対等な立場で交渉なんてできるはずがない」と書きました。

そして今日朝日新聞デジタルに載った記事がこれです↓

高収入の専門職なら「会社と交渉」できる? 働き方改革:朝日新聞デジタル

長時間労働を防ぐため、政府は「年収が1075万円以上で会社との交渉力がある労働者」にしか適用しないとするが、制度の対象になる人たちからは、この「交渉力」に疑問の声が上がっている。

「高年収でもしょせんはサラリーマン。年収が高ければ会社との交渉力があるなんてきれいごとだ」。大手企業でコンサルタントとして働く30代の男性は、そう苦笑いする。仕事量を自分で決めることも給料を引き上げさせることも、不可能だと感じているからだ。

約10人のチームで年3億円の売上高のノルマを課されている。顧客企業の経営データの分析やプレゼン資料の作成に追われ、1日12時間ほど拘束される。海外出張も頻繁だ。残業は毎月、「過労死ライン」の月80時間を超えている。

出勤時間は決まっていないが、実際は納期に合わせて働かなければならず、長時間労働を強いられている。ノルマを達成しても、上司に仕事を頼まれれば断れない。「仕事量そのものを自分で決めるなんて絶対に無理だ」という。

ほらね。言った通りでしょう?(笑)

日本では、今までずっと会社の立場が上で、労働者も、「お給料を頂いている」「雇って頂いている」なんていうお人好しなほどの低姿勢なので、こうなることは必然なんですよね。

日本では「謙虚」が美徳とされていますが、労働者がこうやって「馬鹿謙虚」なのは美徳でもなんでもなく、単に自分たちの価値を自ら下げているだけです。

オーストラリアでは給与・待遇交渉は当たり前

ここで簡単にオーストラリアの例を出しますが、私も何度か会社と給与交渉をしたことがあります。

交渉をすると言っても、「今の待遇が不満だ」とか、「給料が安過ぎる」とか直接的に言ったりしません。

それだとさすがにオーストラリアでも印象は良くないですからね。

例えば、「同じ職種だとオーストラリアの平均は○○ドルだから、それくらいにしてもらえませんか?」とか、「今は入社時の職務契約より多くの種類の仕事をするようになったから、その分上げてもらえませんか?」などと言います。

こうやって交渉をしたからと言って会社からの印象が悪くなるということはないので、「ダメ元で言ってみるか」という感じです。

或いは、カウンターオファーと言うやり方もあり、転職先候補の会社から今よりもいい給料を提示されたら、それを今の会社に伝えて、「ある会社から○○ドルでオファーが来ているのだけど」と言うと、会社があなたを手放したくない場合はさらに上乗せした金額をオファーしてくれたりします。

その金額をさらに相手の会社に伝えて、「今の会社がもっと良い条件を提示してきたので迷ってます」などと言ってさらに上乗せを目指す、「カウンター・カウンターオファー」なんていうのもあります。

本来、労働者はより良い条件を求めてどんどん雇用者と交渉していくべきなんですよ。

労働者が雇用者と交渉する権利が法律で認められているのに、それを行使しないのは自ら「奴隷にしてください」と言っているのと同じなんです。

ただ、こういったことは、「会社と社員の力が対等」であり、労働者がそれをきちんと認識している国だからできることです。

飼い主(会社)にしっぽを振って嫌われないようにするのが当たり前、「給料を頂いているのだから会社や上司の指示に従うのが当たり前」だと信じて疑わない社畜思想の人たちには到底無理な事でしょう。

社畜を育てる日本の教育

日本人が会社と交渉しない(できない)理由はもう一つあります。

日本では教育自体が、「和を乱すな」「争いをしない」ということが良しとされていて、日本人はそれを子供の頃から教え込まれて育ってきているので、わざわざ会社と給料のことや労働条件で交渉して波風を立てたくないと思う人が多いのです。

「みんなと協調する」とか「協調性」なんていう言葉もよく使われますが、それは「みんなと同じようにしろ」「みんなと異なった意見や文句を言うな」という、単なる「同調圧力」です。

そんなものは断じて、「協調」などではありません

こんな風潮の社会で育ったら、他の同僚を差し置いて、「もっと給料上げてください」とか、会社から条件を提示されて、「これはちょっとアンフェアです」なんて言うのは相当勇気が要ることで、まず無理でしょう。

和を乱すのは悪者ですからねぇ。

私の前回の記事で紹介したような、「優秀な社員が居る会社では社員のほうが上」「条件が悪かったらすぐに他の会社に行く」なんていう例はほんとうに稀なんですよ。

それは冒頭の朝日新聞デジタルの記事に出てくる人の話を見れば明白です。

私の勝手な想像では、そんな会社や会社員が9割かそれ以上でしょう。

一部の人だけが高プロで待遇が良くなったとしても、他の大部分の労働者が奴隷のままじゃ意味がないんですよ。

年収が高いから交渉力があるとか単なる妄想です。

そもそも、まずは労働者の「自虐的低姿勢」から変わっていかないと、会社との給与交渉など夢のまた夢です。

一人一人が、今まで受けてきた教育で「当たり前」「良いこと」だと教え込まれてきた呪縛・洗脳から逃れないとなりません

そもそも教育を変えていくべきなのですが・・・

残念ながら教育は変わらないでしょうね。

まず子供たちに教える先生たちの意識からして、古臭い日本の習慣のままですからねぇ。

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