最近はこの時期になると日本でハロウィンのニュースが出るようになりましたね。
日本のハロウィンには賛否両論あるようですが。
ネットを見てみたところ、批判の多くは以下のような感じです。
- 本来の宗教的背景を知らないのに祭りをしている。
- 日本人はコスプレと勘違いしている。本来は悪魔やお化けの仮装である。
- 本来は子供のイベントなのに大人がバカ騒ぎするだけのイベントになっている。
- イベントの後は散らかり放題。
楽しければいいでしょ
一番目の、「本来の由来を知らないのに騒いでいる」というのは、私からしてみれば「いつもの日本」と言った感じです。
クリスマスにしろバレンタインデーにしろ、日本人はお祭り好きですから、ある意味、楽しければ由来とかなんとかどうでもいいんですよね。
そう考えると、上のリストの1~3番までは納得できます。
最後の項目の、「ゴミが散らかり放題」というのはどうかと思いますが。
私は日本のハロウィンもクリスマスもそれはそれでいいと思います。
ある宗教的なイベントが元の国や民族の不快感を誘うとかであれば別ですが、「元の由来を知らなかったらイベントを行ってはならない」などという規則などありませんし、そもそもアメリカなどにおいても、「どれだけの人がきちんと本来の由来や歴史を知っているのか?」と思います。
そう言う私も由来は全然知りませんでしたので、少し調べてみました。
ハロウィン、あるいはハロウィーンとは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカ合衆国で民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。
~(中略)~
キリスト教の祭ではない。ハロウィンに対してはキリスト教からは容認から批判まで様々な見解がある。
ということで、ハロウィンはキリスト教のイベントでさえないのですね。
そして、アメリカでも最近は仮装は特にこだわりが無くなってきているようです。
ただし20世紀後半のアメリカでは、お姫様・海賊などといった人物、しかもあまりリアルな姫や海賊ではなく、ディズニー的でアメリカ流にアレンジしてステレオタイプ化されキャラクター化された登場人物や、あるいはスパイダーマンやバットマンなどアメリカ人に人気の漫画・映画のキャラクターの仮装も行われるようになった。大人になると看護師・メイド・ヒッピー・フラッパーなどに仮装したり、異性装をする例もあり、見る人にあまりに不快感を与えないような仮装であれば何でもかまわない、と考えられている。
日本の仮装は世界から見ると「突き抜けている」感がありますが、こんな感じでアメリカにおいてさえも変化してきているようなので、「別にコスプレで楽しんでもいいのでは?」と私などは思うわけです。
オーストラリアのハロウィン
ところで、なぜ今年はハロウィンの話を書こうと思ったかというと、今年は知り合いに誘われて、子供を連れてハロウィンのイベントに行ってきたからです。
実は日本と同じく、オーストラリアでもハロウィンが盛んになってきたのはここ数年のことです。
オーストラリアにおいてもやはりハロウィンは子供のイベントなので、子供がいない大人はほとんど興味がないという感じです。
私も子供がいるからこそイベントに参加(子供を連れていくことになったというのが正しいかも)したわけで、子供が生まれる前までは「あー、ハロウィンなんてあったなー」という程度でした。
さて、私が行ったのは商店街のお店が協力して、朝の10時から12時までの間にそれぞれのお店の店員さんが仮装してお店の中や外に立ってバスケットに入れたお菓子を子供たちに配るというものでした。
私の友人曰く、この商店街のイベントは始まって3年目らしいのですが、店員の仮装や飾りつけなどのクオリティが毎年レベルアップしてきているということでした。
私の子供二人も仮装して参加してお菓子を貰いまくってとても楽しそうでした。
お菓子を食べたがる子供に、「一日で全部食べたらダメだよ!」と何度も言わなければならなかったのには本当に疲れましたが(笑)
そして私自身も他の子供や店員さんの仮装を見ていてとても楽しめました。
子供を追いかけるので大忙しであまり良い写真は撮れませんでしたが、こんな感じです↓
お化けや魔女などの仮装をした子供や店員さんは多かったですが、やはりオーストラリアでも「アナと雪の女王」のエルサとか、スーパーマンとかピカチュウなどの、「元々のハロウィンで着られていたのとは全く関係のない普通の仮装」をしている店員や子供も結構いました。
そうそう、商店街の銀行も協力してくれていて、仮装した銀行員のおばちゃんがお菓子を窓口で差し出していました↓
写真にはお菓子を貰っている子供は二人しか写っていませんが、直前まではかなりの人数の子供がいました。
もちろんお客さんの子供ではなく、お菓子を貰いに来ただけの子供ばかりです。
「ちゃんと業務出来ているのかな?」と心配になってしまうくらいです。
他の国ではこうやって銀行まで協力したりするのか知りませんが、こういう緩いところもいかにもオーストラリアらしくて私は好きです。
子供も楽しんで欲しい
冒頭にも書いた通り、私は日本のハロウィンの楽しみ方でも全然アリだと思います。
ある風習が、時や場所が変わっていくに従ってその意味や行動が変わるというのは良くあることです。
日本の過剰な仮装(コスプレ?)でのバカ騒ぎも、ある意味とても日本人らしくて悪くないと思います。
ただ、今回オーストラリアでハロウィンを体験してみて思ったことは、「子供のためのイベントとしてやってもとても楽しいよ!」ということです。
子供がいる人であれば特にそうです。
なので、「大人が騒ぐだけのイベントにではもったいない。子供も本来のハロウィンの形で参加して楽しめるようになったらいいのに」と思います。
大人も子供も仮装して、子供はお菓子を貰って、大人も子供も一緒になって楽しめるイベントを日本でもやってあげて欲しいと、今回思った次第です。
追記(2018年11月):
今年の渋谷のハロウィンでは車が横転させられたり、イベントの後にゴミが散乱していたりと散々な結果だったようです。
さすがに私はこれはどうかと思います。
度を越していると思いますし、お祭りなら何でもやっていいと勘違いしているのか知りませんが、一部のこういった人のせいで楽しいはずのハロウィンのイベントが批判されるのは残念です。
ただ、他の地域ではほのぼのしたイベントだったという話も見かけたので、それは救いです。
みんなで平和に楽しくやりましょう。
ところで、ハロウィンの祝い方も世界で色々違うように、母の日に上げる花も実は世界で違ったりするんです。
日本で当たり前のことは一歩外に出ると全然当たり前ではないんです。
興味のある方はぜひ以下の記事を読んでみてください。
>>「母の日に贈る花はカーネーションが常識ではない」ということから知る「常識」の話。