【新卒至上主義オカシイ】就活に失敗すると人生のレールから外れるという日本社会の弊害

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4月になりましたね。

私はちょうど4月1日に日本にいたので、たくさんの新卒のサラリーマンが朝に駅に吸い込まれていくのを見ていました。

以前の私の記事「レールから外れることを怖れる日本人と、何度でもやり直すオーストラリア人」では「新卒で就職した会社で頑張ってもし合わなかった場合、会社を辞めても転職が難しいから心配」という新卒の学生の声を紹介しました。

【レールから外れると人生終わり?】道から外れることを怖れる日本人と、何度でもやり直すオーストラリア人一般的に日本ではいい大学に入り、一流企業に勤めることが良いとされていますが、そのようなレールに乗ることが果たして幸せで、そこからハズレた人は不幸せなのでしょうか?あなたはもっと自由で幸せな生き方をしてもいいのです。...

今年もきっとこのような心配をしながら出社していった人がたくさんいるのではないかと思います。

オーストラリアでは新卒一括採用など無い

みなさんも知っての通り、日本では新卒の正社員の募集では基本的に「未経験可」(その分野の知識がなくても可)です。

新卒なのだから経験が無くても良いのは当然ではないかと思うでしょうが、オーストラリアではそういう募集はまずありません。

もちろんオーストラリアにも新卒の人向けの募集はありますが、それでも「その職務に関連した学位」を持っていることが求められることがほとんどです。

日本では知識も経験も求められないどころか関連した学位も求められません。

日本で重要視されるのは大学を卒業したかどうかと、どれだけ高い偏差値の大学を卒業したかということだけ。

そこで経済学を学んでいようが、商学だろうが、法律だろうがほとんどどうでも良いのです。

強いて言えば、学科の種類ではなくその学部の偏差値のほうが重要なわけです。

一流大学を出ていれば「おー!」となり、三流大学ならば「もっといい大学を出た人を優先させよう」となるわけです。

その人がどの学部で何を学んだかは大して重要視されません。

オーストラリアでは日本の新卒採用のように一斉に企業が採用をすることはありません。

企業は自分達で一から人材を育てるという考えではなく、あくまでも最初からその分野の知識や技術を持った人が欲しいのです。

そのため最低でも関連の学位を持っていることが一番基本のスタートラインとなります。

その分野を専門として学んできた学生がいるのに、わざわざ全く関係のないことを学んだ学生を採用する必要性など無いでしょう?

オーストラリアの求職システムの欠点

このオーストラリアのシステムの悪いところは

「経験が無いから仕事が見つからない」

「仕事が見つからないから経験が伸びない」

「経験が無いから仕事が見つからない」

という無限ループにはまるところです。
(無限ループと言ってもいずれはループから外れる時が来るわけですが。)

だからオーストラリアの新卒の学生が仕事を探す方法としては、前述のような「新卒可(ただし関連の学位保持者であることが必須)」の募集をしているところに応募するか、アルバイトやボランティアをしてスキルを伸ばしつつ就職先を探すことになります。

これ、結構大変なことです。

しかし大事な点は、日本のような「新卒至上主義」などという習慣が無いことです。

日本では新卒の時に就職できなかった人を就職浪人などと呼びますが、いつ就職しても良いオーストラリアではそのような考えがありません。

スキルや学位(知識)があればいずれは仕事は見つかります。

能力や学位を伸ばすためににさらに学校に通うのもアリですし、暫く旅行に出たりしてそれから仕事を探すのも全然アリです。

オーストラリアでは確かに新卒にとっては就活は大変かもしれませんが、就職後であろうと前であろうともし自分が選択した道が自分に合ってないと思ったら方向転換して自分の望む道を歩いても良いのです。

だから最初に紹介した学生のような「最初の会社選びで失敗したらどうしよう」という心配もありません。

これは新卒至上主義の日本では到底真似のできないことです。

どのような人生のルートを辿っていようとも、採用選考時に今までに失業期間が長いことや、今までの職務形態が正社員ではないことや、旅行に行っていたなどということで不採用になることはありません。

あくまでもあなたの能力と経験と学位がもっとも重要な採用基準の一つであり、そこで勝負するのです。

日本で言われる「レールを外れると厳しい人生になる」のはその人の過去を重要視するからです。

レールというものが存在していること自体も問題ですが、過去にそのレールから外れたことを問題視する風潮はもっと問題です。

だって、過去は変えられませんから。

誰にだって失敗することはあります。

今まで失敗したことが無く、人生のレールから外れた人の話を他人事のように思っている人でもこれから失敗して転落する可能性はいくらでもあります。

高校、大学、就職などで一度キリしかチャンスがないなどという社会はどう考えても異常です。

このような習慣は誰も幸福にしません。

人間、生きていて本人が望む限りいくらでもチャンスが与えられるべきです。

前述したようなオーストラリアでの新卒者の就活の無限ループの問題を聞くと、日本のような「新卒歓迎」で「未経験可」で「一斉に採用」してくれるほうが良いように思う人がいるかもしれません。

しかしそのような企業の新卒一括採用のシステムが「就活に失敗して人生のレールから外れて這い上がってこれない」という犠牲者を生み出しているのです。

人生のレールなど無くなるべき

新卒至上主義などという風潮があるがために、一回きりのチャンスを生かせなかった人はその後厳しい人生を歩む可能性が高くなります。

さらに新卒至上主義の元では景気が良い時の新卒の人は就職しやすく、悪い時の人はレールから転落する人が多いという不公平も生じます。

そしてそうやって不景気の年に沢山出た就職浪人を保護するために「大学卒業後2年目まで新卒とするように」とかいう提言を国がしています。

こんなくだらないことを国が大真面目で議論している国など日本以外で聞いたことありません。

繰り返しになりますが、オーストラリアは新卒かどうかなどで区切らず、必要なスキルを持った人材を必要な時に取るだけなので国がわざわざこんな決まり事を作る必要もありません。

会社を退職(解雇でも自己都合でも)した後に暫く旅行などに行って帰ってきてから仕事を探し始めて、その面接で例えば「この一年間何をしていたのですか?」と聞かれて、「仕事、仕事で疲れたからハワイに行ってのんびりしてきました」というのも全然アリなのです。

それが理由で落とされることはまずないでしょうし、むしろ面接官も「それはいいね」と言って盛り上がるでしょう。

逆に日本でこんなことを言ったらどう思われるでしょうか?

「一年も働かずに遊んでいた」「また辞めて旅行に行きそう」などきっとネガティブなものばかりでしょう。

人生には失敗や挫折は付き物ですし、長い人生の中でたまには長い休養も必要です。

そして人それぞれ全く違う人生があります。

日本でも「人生のレール」に代表されるような、「普通な生き方」が無くなり、様々な人が型にはまらず自由に人生を生き、方向転換をしようとしたときにそれを暖かく容認してくれる社会になることを願って止みません。

オーストラリアでは一度進路を決めても、「自分に合ってない」とか「合わなくなった」と思ったら学校に通い直して全く別の分野の学位を取り、再出発することは珍しくありません。

また、そういう生き方が他人から否定されることもありません。

そんなオーストラリアの人達の生き方に興味を持ったら以下の記事を読んでください。

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>>【レールから外れると人生終わり?】道から外れることを怖れる日本人と、何度でもやり直すオーストラリア人

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