「お客様は神様」なんて日本だけ。そんな習慣がもたらすストレス社会。

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海外のサービスは本当にヒドイ

突然ですが、私はオーストラリアに来てからというもの何度こちらのサービスにウンザリさせられたか分かりません。

  • 買ったものに問題があってお店に戻っても面倒臭そうに対応される
  • 本社にメールでお店の対応に文句を言っても一切音沙汰なし
  • サポートへ電話して「折り返し5分後に電話します」などと言われたらまずかかってこない

などなど、他にも挙げ出したらキリがありません。

私が体験した実際の例を一つ挙げましょう。

これは私がこちらの大学に入学手続きに行った時のことです。

あるカウンターで散々並らばされた後に、「これはあっちのカウンターです」と言われ、言われたとおりのカウンターに行ってまた並んでやっと自分の番が来たと思ったら「それはあっち」と言われ、散々たらい回しにされたことがありました。

文句を言っても「私にはできない」「分からない」「それはあっちの担当だから私にはどうしようもない」と言うだけ。

困っている相手の問題を解決してあげようという気持ちなど微塵もありません。

そんな感じで他の人も同じようにたらい回しにされているものだからどこも行列。

これでは何時まで経っても処理が進むはずがありません。

オーストラリアはどこに行ってもそんな感じで、本当に適当でいい加減です。

そしてむしろ店員やスタッフのほうが偉いのではないかと思わせるくらいの態度です。

そんなオーストラリアにおいてたまにきちんと対応してくれる人がいたりするのですが、そうすると感動してもう一生付いて行こうと誓いたくなるくらいのレベルです。

ネットで見たり知り合いに話を聞いたりする限り、これはオーストラリアに限ったことではなく大概の国では同じような状況のようです。

これは私の知り合いの人の意見ですが、「こちらの人間は会社や仕事に全く責任感を感じていないし、面倒なことを避けて自分の仕事を楽にすることしか考えていないからこういう適当な仕事しかしない」とのことでした。

前述の例の、「折り返し電話します」と言いつつまず必ずかかってこないというのも、「会社がどうなろうと知ったことではない」「適当に仕事をしているからすぐに忘れる」「面倒だからやらない」ということの現れではないかと思います。

日本のサービスは世界一

世界的に見ると、上記のようなあり得ない低レベルのサービスが横行しているのが普通なわけですが、(私の知っている限りでは)唯一、逆にあり得ないくらい高いレベルのサービスを提供しているのが日本です。

日本のサービスは本当にすごいと思います。

店員は常に礼儀正しいですし、電話サポートなども実に丁寧でしっかりしています。

折り返しの電話をしますと言ってかかってこないという事などほとんどありません。

しかし行き過ぎと感じることも多々あります。

店員は時にはバカ丁寧ですし、さらにはたとえ客側が間違っていることを言っていたりしてもまずは「申し訳ありません」と謝罪します

私は日本に帰るたびに日本の店員は本当に丁寧すぎて「そんなにへり下らなくていいよ」と逆にこちらが申し訳なく思ってしまいます。

海外に長期間滞在したことがある人ならば私と同じように感じる人は結構いるのではないかと思います。

まあ、そういう気持ちも数週間そのまま日本に滞在し続ければすっかり日本の習慣に慣れてしまってそれをなんとも思わなくなるわけですが。

ところで、日本でサポートセンターに電話した時などによく思うのですが、私が「○○(製品名)を使っているのですが」と言った途端に「ありがとうございます」と間髪入れずに言ってきたり、「○○の部分がうまく動かなくなりまして」と言った途端に「申し訳ございません」と言ってきたりするのはなんとかして欲しいです。

丁寧なのは分かりますが、あっちがお礼を言ったり謝ったりする度に「あ、はい」とか言わないとなりませんし話が中断されるので正直言って話し辛くて仕方ありません。

こちらが全て話し終えてからお礼を言うなり謝るなりすれば十分だと思います。

話が少しそれましたが、こういった丁寧な日本のサービスは全て「お客様は神様」「お客様は常に正しい」というルールからきていることはみなさんご存知の通りだと思います。

「お客様は神様」からくる負の連鎖

さて、このように日本ではサービスを受ける側はどこでも「お客様」扱いなので、客である自分が偉いと勘違いして店員に横柄な態度を取ったり中には理不尽な要求を突き付けて暴力を振るったり謝罪を強要するような人間もいるようです。

まるで子供のような振る舞いですが、そんなくだらない事件を起こして逮捕されるニュースが後を絶ちません。

そのような事件は極端な例にしても、大方の日本人は多かれ少なかれ「店員よりも客である自分のほうが偉い」という気持ちが誰にでもあるはずです。

しかしこういう考えは程々にするべきです。

あなたが客側の立場である間はいいですが、あなたがよほどのお金持ちで働かなくても生きていけるのでない限り、生活のために必ず働かなければなりません

そして自分が働く立場になったときに今度はあなたがお客に対してペコペコしないとならなくなるわけです。

店員がへりくだればへりくだる程「お客は常に正しい」「客は神様」と勘違いする人が増え、サービスを提供する側のストレスも増えていきます。

そして接客をして日頃溜まったストレスを今度は自分が客側になった時に店員にぶつける人もいます。

前述した店員に対して暴力を振るうような人の中にはこのような理由の人で事件を起こす人もいるかもしれません。

これでは悪循環ですし、こういった「お客様にへりくだらなければならない習慣」が日本で働くことに対する壁の一つになっているのだと思います。

そしてそういうストレスを毎日受けているうちに、しまいには病気になってしまう人もいるでしょう。

物やサービスの購入は同じ価値のモノの交換

客があるものを買うという行為はその商品(とそれに関わるサービス)をそれと同じ価値のお金と交換しているというだけの行為です。

商品の価値よりもずっと多くのお金を払うのならお客のほうが偉いというのも分かります。

しかし日常行われているのはあくまでも同じ価値の物同士の交換、つまり「等価交換」なのです。

これでなぜ客側のほうが偉くなるのでしょうか?

等価交換ならばどちらも平等なはずです。

そもそもモノを作ったり売ったりしてくれる人がいなかったらお金なんてただの紙切れなわけです。

いくらお金があったところで何とも交換できません。

だから、そういう物やサービスを提供してくれる人達に対する感謝がもう少しあってもいいのではないですか?

金を払う方が偉いのが当たり前たと思っている人には驚くような意見だと思いますが、私にはこちらの方が理に叶っていると思います。

日本では店員ばかりが「ありがとうございます」と言い、言われた客は大体黙っていますよね?

あるいはサービスを受けるのが当然という態度で店員に接する人もいます。

オーストラリアでは客も店員も「ありがとう」と言います

これはどちらも平等な立場だと認識しているからこそ出てくる言葉だと思います。

気楽に生きられる社会とは

私が考えるベストな店と客の関係は、オーストラリアで私が感じる「平均より少し上のレベル」のサービスです。
(オーストラリアでの「平均的なサービス」とは前述したような適当なサービスのことです)

客にへりくだることなく、かと言って尊大に振る舞わず、フレンドリーに接し、自分の仕事はきっちり行う。

こういった対応で十分だと思います。

ちなみにオーストラリアでも平均よりも高い料金を払うところではそれなりに良いサービスを提供してくれます。

例えば高級レストランでの対応はやはり素晴らしいと思います。(と言っても流石に日本みたいにペコペコしませんが)

逆に安いレストランでは安いなりの対応です。

でもそれが当然です。

サービスを提供するのは末端の社員です。

そして会社としては社員に丁寧に対応させても追加でコストがかかるわけでもないので安い賃金で雇用している店員にさえそういった顧客対応を求めるのです。

「丁寧なサービスを提供したり受けるのは無料」だと会社も客も考えているからダメなのです。

会社は社員に客に対して丁寧なサービスを提供することを求めるのならそれなりの給料を出すべきです。

そして客側は良いサービスを受けたければそれなりのお金を払わなければならないということを知るべきです。

会社も客もコンビニのバイトの店員に過剰なサービスを求めてはいけません。

日本は特に商売の競争が激しいので、少しでも客をもてなして失礼のないようにしないと会社が生き残っていけないというのは分かります。

しかし日本人が「客は神様として扱われるのが当然」と考えている限り、どこかの会社がそういう対応をしていれば他のところも追従しなくてはなりません。

すべての会社が一斉にそういう習慣や対応を止めるのは無理な話ですので、日本人が徐々にでもそれが当たり前だという認識を変えていくべきだと思います。

今まで常識だと思っていたことが変わると少しイライラしたり不便に感じることがあるかもしれません。

しかし、そうすることによって少なくとも今よりもストレスの少ない社会になるのではないかと思います。

これは私がオーストラリアで働き始めて強く感じたことですが、自分が客の立場だと確かにイライラする事もありますが、働く側になったらとても楽なのです。

これは日本の場合とは全く逆の話です。

客としては良いサービスを受けることは難しいけれど、自分が働く場合は同じレベルのサービスを提供すれば良いということなのです。

お客さんと話していても日本のように妙にかしこまる必要はありませんし、逆にサービスを受ける側も偉そうな態度を取ったりしません。

お互いフレンドリーに接すればいいのです。

そして、無理な要求があった時は普通に「それは無理です」と言えます

だからサービスが適当な社会にいるということは自分も気楽に生きていけるということなのです。

ところで、最近は注文した商品が翌日に届くのは珍しくなく、数時間で届けるというサービスまで出てきました。

実はこれは「便利な世の中になった!」と素直に喜べないのです。

その理由は以下の記事で。

ヨドバシエクストリームサービスから見る究極の便利社会とその弊害注文から2時間半以内(!)に配送するサービスをヨドバシカメラが始めるということがニュースになりました。【話題のサービス・...

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