「仮病で当日に急に休む社員にどうやって対処するか?」という事について書かれた記事がありましたので、今回はこの記事の内容に触れつつ、有給の考え方について書いていきたいと思います。
まずはその記事の紹介から。
ズル休みを疑っても…2度目までは気づかないふりをする
~(中略)~
上司として部下に長く接していれば、話す口ぶりなどで、それが仮病か本当の病気かはなんとなく「勘」でわかるものです。
ただ、仮病っぽいとしても、いきなり「それは仮病だろう」と決めつけて、叱ってはいけません。まず2回まではなにも言わず、認めるようにしましょう。
1度目の対応
まず1度目は、社員の体調を気遣って「早く元気になれよ。お大事に」とやさしく接しましょう。
怪しい部分があるにせよ、本当に病気である可能性があるからです。また、ウソだとしても、つい口をついてしまった単発的なものならば、その後の仕事にも大きな支障は出ません。
この時に厳しく対応してしまえば、部下との人間関係は悪くなり、モチベーションも低下。結果として社員の仕事にマイナスの影響を及ぼしてしまう危険性があります。
2度目の対応
そして2度目もまだ我慢。これは疑いを確認する段階です。状況的にとても怪しいと思うことが2度続くなら、それはたぶん仮病でしょうなのでしょうが、これでやめてくれれば問題なしと考え、大人の対応で収めておきましょう。
3回目は直接問いただす
2回で終わればいいのですが、さらに続くとすればそれは問題。よりシビアな対応を考えなければなりません。
ウソというのは人によっては習慣化してしまいます。虚言癖とまではいきませんが、そのままウソが習慣化してしまえば、仕事に悪影響を与えることは間違いありません。
部内や社内ですめばいいのですが、もし社外でもウソをつくようになってしまったら、これは全社的な問題になってしまいます。
これを読んでどう思いましたか?
ずる休みで有給を取るのはどうかということはとりあえず置いておいて、この記事の筆者は文章の端々から、「会社は社員に有給を取らせてやってる」という上から目線をひしひしと感じます。
社員が嘘をついて有給を取るのは誰のせい?
上の記事には筆者名もプロフィールも出ていないので誰が書いたかも分からないのですが、経営者なのか、社畜なのか、単に無知なのか・・・
いずれにしても、「有給は法律で認められた社員の正当な権利である」ということを完全に無視しています。
仮病で有給を取っても「最初は大目に見てあげる」とか、「大人の対応」とか、アホかと言いたくなります。
「もし社外でもウソをつくようになってしまったら、これは全社的な問題になってしまいます。」って、法律を守らない会社は社会的な問題にはならないのでしょうかね?(笑)
突然の休みを繰り返す社員を、簡単に有給にしてはダメ
基礎知識として、会社を休んだ時の扱いについても説明しておきましょう。
勤務の当日になって突然休む場合、年次有給休暇が適用される場合と、欠勤が適用される場合があります。
もちろん年休(年次有給休暇)は給与に影響はありませんが、欠勤の場合は給与が減額されます。また、欠勤は査定でマイナス評価を受ける場合もあるので、賞与が減額になる可能性があります。
しかし実際は部下が病欠を申し出た場合、有給で処理することが多いようです。以前ほどではありませんが、まだまだ有給をちゃんと取らない社員が多い日本の会社。病欠で上手く有給を消化させてしまおうと、考えるからです。
ただ、毎回そのまま認めていると、急病といえば有給扱いされると考え、ますます仮病を使うようになってしまいます。
仮病はそもそも服務規程違反ですし、いきなり休まれてしまえば、業務にも支障が出てしまいます。面倒だからと簡単に済ませず、きちんと対応する必要があるのです。
確かに、有給を取る場合は前日には言うべきでしょう。
そこは私も賛成します。
だから、「当日急に仮病で有給を使うな」というのは理解できます。
しかし、この問題の根本的な原因は普通に有給を取らせない会社にあるわけです。
上の引用文にある通り、この筆者も、「まだまだ有給をちゃんと取らない社員が多い日本の会社。病欠で上手く有給を消化させてしまおうと、考えるからです。」と書いています。
ブラック会社では有給を取ろうとしても、何だかんだと理由を付けられて取れなかったり、取れても上司や同僚からいい顔はされません。
そんな状況で仮病を使ってでも有給を取ろうとする社員を責められるのでしょうか?
休みを取りたいときに、「有給を取ります」と言えば素直に取らせてくれる会社であれば「仮病」のような噓を付く必要もないのです。
わざわざ嘘を付きたい人などいないでしょう?
できたら誰だって堂々と有給を取りたいはずです。
しかし、会社がそれを許さない。
つまり、社員に嘘を付かせているのは会社なのです。
私は仮病などの嘘をついてビクビクしながらでないと有給を取れないブラック企業の社員の人達に心から同情します。
悪いのは社員ではありません。
社員の権利を認めない、法律を守らない会社が一番悪いのです。
会社には有給申請に対しての拒否権は無い
記事の筆者は「仮病はそもそも服務規程違反」などと言っていますが、笑ってしまいますね。
実際のところ、法律上は有給を取るのに理由など一切必要無いのです。
以下に有給について説明された記事を紹介しておきましょう。
会社は、社員が請求した日に有給休暇を与えないといけません。ただし、会社の業務に支障が出る場合は、他の日に変更してもらうこともできます。
~(中略)~
拒否できるのではなくって、有給休暇を取得する日を変更することが認められています。
~(中略)~
それと、単に忙しいという理由ではダメで、一度に多くの社員が休むことになったり、その人しかできない重要な業務であったりして、社員の補充ができないで、会社の業務に支障が生じる場合でないといけません。
~(中略)~
大抵の場合は認めないといけませんね。
つまり、社員が「有給を取ります」と言ったら基本的に会社は拒否できないということです。
できるのは取る日を変更できないか会社側が「お願い」することだけです。
そう。
会社は社員に、「今は休まれるとどうしても困るからどうか来週にしてもらえませんか?」などと低姿勢でお願いしないとならない立場なのです。
「仮病で有給を取るな!」とか、上から目線などとんでもありません。
有給を取る理由など一々言う必要などそもそも無いのですが、例え理由を言ってそれが嘘だろうと本当だろうと会社にあるのは変更権だけで拒否権は無いのです。
オーストラリアの場合
以前にも私が現在働いているオーストラリアの会社の休暇制度について書いたことがありますが、今一度書いておきたいと思います。
まず、有給休暇は年に20日あり、入社一年目からそれだけ与えられます。
何週間もの休暇を取りたい場合は2週間前までには伝えないとなりませんが、数日程度の有給であれば前日までに言えば全く問題なく取れます。
そして、ここが重要なポイントですが、有給はあくまでも社員のホリデーのためにあるということ。
病気や医者の予約がある場合は有給とは別に病休が与えられます。
病休も年に20日間認められています。
病休はもちろん給料が出ます。
この病休は、自分自身の病気の場合以外にも、家族が風邪で世話をしないとならないという場合にも取得できます。
また、引っ越しで休む場合も年に1日だけという条件付きながら病休から取得して良いことになっています。
こういった制度があるので、オーストラリアでは仮病などの嘘を言って有休を使おうなどと考える社員は一人もいないのです。
有給を使いたければ堂々と、「日本にホリデーで行く」などと伝えればよいのです。
本当は理由を言う必要もないのですが、コミュニケーションの一環として普通はみんなそんな話を雑談的にするわけです。
ちなみに、有給をセーブするために、仮病を使って病休として休むことはこちらの社員もあります(笑)
この場合は完全に仮病を使った社員が悪いので、何度も休んだりしてあまりにも悪質だと、ばれた場合は何らかのお咎めが会社からあることでしょう。
社畜記事に騙されるな
さて、冒頭に紹介した記事の最後には以下のように書かれています。
休みがち社員への対処法のポイントは、こちらから直接的なことは言わず、相手に上手く悟らせることです。
上司という立場上、確証のないことを決めつけてしまってはパワハラ呼ばわりされかねません。仮病というNGワードを上手く避けて、部下に行動を改めさせるようにもっていきましょう。
どこまでも上から目線で滑稽ですね。
会社が法律に反していることをしているのを棚に上げて「相手に上手く悟らせる」も無いでしょうに。
会社が違法なことをしているということを「会社が上手く悟って」くれれば良いですが、黙っていてはそんな日は絶対に来ないでしょう。
こんな「経営者目線」的な記事を読んだ人が、「有給で仮病を使うなんてとんでもないことだ!」と騙されて洗脳されないことを祈ります。
こういう「クソ会社」「クソ経営者」「経営者目線の社畜」が日本からいなくなって、私のオーストラリアの会社のようなまともな会社が増えてくれることを願って止みません。
ちなみに、オーストラリアの会社では様々な休暇制度が設けられています。
以下の記事を読めば、日本のブラック企業がどれだけ社員から搾取しているかが分かりますよ。
>>【オーストラリアの会社の有給休暇事情】私が働いている会社で取れる有給の種類を一挙紹介!
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