
今日もネットで見つけた記事から始めてみたいと思います↓
大学1年生に聞きました。働くことに不安はある? | 就職ジャーナル
大学一年生に将来働くことに対して尋ねたアンケートの回答結果が掲載されています。
まだ就職まで3年以上も時間があるのに9割以上の学生が不安だらけ。
ここまで学生に希望を感じさせない日本の会社の経営者たちはこれを見てどう思うのでしょうか?
そして、こんなに不安に感じているにもかかわらず、いざ就活をして面接となるといかにもやる気があるように見せかけ、
「自己実現のため」
だの
「御社の経営理念に惹かれて」
だのと嘘八百を並べないとならないなんて苦痛以外の何物でもないですね。
これも第三者の視点から見ると会社も就活生も滑稽で仕方がないわけですが。
日本の学生の仕事に対する悲壮感
上記の記事の中の回答をいくつかピックアップしてみましょう。
「新卒で就職した会社で、限界まで頑張ってもその仕事が合わなければ転職を考えると思うが、実際、転職は難しそう。それが、最初の就職に失敗できないというプレッシャーにもなっている。」
「自分に、働き続ける気力があるかどうかが気がかり」
「職場の人間関係に不安がある。ブラック企業のような会社で不当な長時間労働をさせられないかも心配。」
「意地悪な上司からのパワハラや、怖いお局(つぼね)さん的な人からのいじめに遭うのではないかと危惧しています。」
「産休や育休を取った後に、職場に自分の戻るところはあるのか。」
どうですか?
就活をする遥か前の段階で「仕事はツライもの」「この先の人生、ずっと耐えていかなければならないもの」という悲壮感が漂ってます。
厳しい受験を乗り越えて大学に入ったと思ったらすぐにこんな不安を抱えなければならない日本の学生に心から同情します。
ちなみに、回答の最後にある産休に関しては以前の私の以下の記事
で父親の育児休暇について触れました。
オーストラリアの会社では母親に対しても当然日本とは比べ物にならないほど手厚い待遇を与えられるわけですが、それに関してはまた後々書いていきたいと思います。
オーストラリアの勤務時間
さて、今日は私が今働いているオーストラリアの現地の会社の勤務時間と残業についての紹介をしましょう。
まず勤務時間は一日実働7時間、昼休み1時間です。
大体の人は朝9時に来て夕方5時に帰ります。
オフィスは朝8時から夕方6時までが通常時間となっていて、その間に昼休みを含めた8時間いれば良いことになっています。
ちなみに私は帰りのラッシュを避けたいので、8時半出社で4時半に仕事を終えています。
朝の出社時は特に誰かが時間をチェックしているわけではありませんしタイムレコーダーなどというものもありません。
オフィスに10分早く来ようが、20分遅くなろうが誰も気にしません。
さすがに朝にミーティングが入っていたりしたらそれに間に合うようにはしますが。
夕方になって退社時間になるとみんなきっちりその時間に帰ります。
むしろ10分くらい前から帰り支度を始めてさっさと帰ります(笑)
そして基本的に残業は一切ナシです。
もし残業が必要になった場合、そのことは必ず上司に伝えます。
そして残業した分の時間は必ず残業代か代休が出ます。
これは100%出ます。
日本と同じくオーストラリアでもタダ働きさせることは違法ですからね。
しかし前述したとおり、オーストラリアではそもそも残業なんてしません。
仕事が残っていようがなんだろうが、次の日にやれば問題ないのならそのまま残して帰ります。
上司がまだオフィスにいようが同僚がまだ仕事していようが誰も気にしません。
決められた時間働いたら帰ります。
当然です。
その分の給料しかもらってませんから。
それから会社も給料を出している時間以上働いてもらうことを期待したり強制したりしません。
よほど緊急の場合は残業しますが、その日のうちにどうしてもやらなければならないような緊急性がある仕事など数年に一回あるかどうかです。
すべての残業は上司と会社の責任
そもそもある人が残業しなければならなくなるということは、それはその人への仕事量の割り当てがうまくできてないということです。
そしてそれは部下の仕事量を管理する上司の責任、ひいては会社の責任です。
だから期日に与えられた仕事が終わりそうもないなどという時はまっ先に上司に報告しに行きます。
ここで上司が取る行動は
- 人員を増やして期日までに終わらせる
- 客に「期日までにはできません。延期します」と言う
のどちらかです。
逆にまずあり得ない方法は
- 「残業してでも終わらせろ」と言う
です。
日本とあまりにも違って驚きましたか?
それとも当たり前だと思いますか?
同僚が働いていたらみんなで助け合う?
さて、日本ではどうでしょうか?
日本は基本的に「全体行動」「連帯責任」「和を乱す者は悪」です。
それが良いことも時にはあるかもしれません。
しかしこのような習慣や固定化した観念はたいていの場合「悪習」でしかありません。
特にブラック企業では このような悪習が経営者の都合のいいように使われています。
日本では周りの人がまだ働いている時に定時で帰ろうものなら何を言われるかわかりません。
必ず白い目で見られて
「みんなまだ働いているのに・・・」
「自己中」
とか言われます。
誰か一人でも働いていたら全員帰ってはいけないんですか??
能力のない人が残業をしなければ仕事が終わらないという場面があったら一緒に残って助けてあげないとならないんですか?
こんなことを言うと、
「困っている同僚がいたら助けてあげるのが当然でしょう」
という一見もっともらしい意見が聞こえてきそうですね。
「困っている人がいたら助け合ってみんなで仕事を終わらせる」
なんて情けに満ち溢れた響きのいい言葉なんでしょう。
そう思いませんか?
日本人ならそう思っても仕方がないと思います。
これは子供の頃から受けている教育のせいです。
ブラック企業が生み出される原因
この「教育」に関しても今後書く予定ですが、とりあえずここで「そうだ!みんなで助け合うべきだ!」と思った方にいいことを教えてあげましょう。
あなたは残業してまで誰かを助けてあげる必要はありません。
それはその人が時間内に処理できる以上の仕事を与えた会社の責任です。
他の同僚が助けてあげてみんなで終わらせたら美談に聞こえるかもしれませんが、それは会社の責任をうやむやにするだけです。
そしてそうやって社員同士が勝手に仕事をやってくれるなら会社は問題を解決する必要もないため、この問題は根本的に解決されることなくまた同じことが何度も繰り返されます。
それに全員が仕事を終えないと帰れないのだとしたら毎日、毎日、社員全員が誰かしら一番遅い人に合わせないとなりません。
そんなことをしていたら常に全員が遅くまで仕事をしなければならないことになります。
なぜ、自分が早く終わったときはすぐに帰る代わりに、他の人が早く終わったときは気持ちよく帰らせてあげるということができないのでしょうか?
そうすれば早く仕事が終わった人は家でゆっくり休養できますし、その日に仕事が遅くまで終わらなかった人でも次回早く終わった時は早く帰宅してゆっくり休むことができます。
まあ、いずれにしても残業することが異常なわけで、残業がなければこんな話もしなくて良いわけですが。
結局こういった日本人の考えや行動が悪徳経営者やブラック企業を甘やかせ、のさばらせているのです。
残業は異常事態であり起こってはならない
重ねて言いますが、オーストラリアでは仕事は通常勤務時間内で終わるのが正常ですし、終わるようにスケジュールを組むのが当たり前です。
残業をしなければならないのはどうしても緊急でやらなければならないことがあるような、平時ではありえない異常な状態なのです。
日本では残業するのが普通になっているので、海外から見たら異常な状態がずっと続いているわけです。
そして、そのような異常な状態がずっと続いてそれが普通になった社会がどうなるか?
弊害はたくさんありますが、その一端を上記のアンケートへの大学生の回答から見ることができると思います。
そして日本人自身の習慣や固定化された思考がその異常な状態を作り出す基礎となっているのです。