私が人生で初めて日本の外に出たのは大学を卒業する直前にニュージーランドに2週間ほど卒業旅行をしたときでした。
私がオーストラリアに永住しようと考えるようになったきっかけはまさにその時の体験が元だと思います。
私はオーストラリアで生活を始めてかれこれ15年以上になりますが、もしその卒業旅行に行っていなかったら全く違う人生になっていたことは間違いないでしょう。
もしそのまま日本にいたら、ブラック企業で働いて病んでいたかもしれませんし、もしかしたら逆に今働いているオーストラリアの会社よりももっと良い日本の超ホワイト企業で働いていたかもしれません。
「たら、れば」の話をしても仕方がないわけですが、オーストラリアに渡った今思うことは、「もっと若いうちに外国に行って長期滞在できていたら良かった」ということです。
私がオーストラリアの大学に入るために滞在を始めたのは29歳になってからですが、やはり30に手が届こうかというオジサンと中学生や高校生では、異なる環境に順応する柔軟性や、言葉を吸収する力が全く違います。
例えば私も中学生くらいの時に短期の留学でもしていて、高校辺りから本格的に長期滞在でもしていたら色々な面で相当違っていたでしょう。
また、若いうちであれば人生の方向性を決めるのに時間的な余裕も選択肢もたくさんあります。
私はオーストラリアに渡った時は独身だったのでまだ良かったですが、もし結婚していたり、ましてや子供でもいようものなら会社を辞めて海外に行くというのは至難の業だったでしょう。
今回は、短期留学やホームステイについて私が聞いたり実際に体験したことなどについて話をしてみたいと思います。
留学先での様々な苦労
まずは一つの記事を紹介しましょう。
オーストラリア短期留学…学ぶのは言葉ではなく、生活習慣の違い | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト
海外に出てみると、今までの常識や非常識を疑問に思うことがあります。それらを体験させたいという日本の学校が少しずつ増え始めています。
詳しい話に興味がある人は記事を読んでみてください。
個人的に、こういう学校が増えるのはとても良いことだと思います。
実は私が高校生だったときに姉妹校との交換留学でシドニーから何人かの生徒が私の学校に来たことがあります。
日本に来たオーストラリア人の生徒達は授業に一緒に参加するのですが、授業内容はみんな全く理解できていないようで、しかもオーストラリアとは全く違って、席に座って先生の話を聞くだけの日本特有の授業はとてもつまらなそうでした。
ところで、上記のCYCLEの記事によると、オーストラリアに行った日本人の生徒達の場合は、授業にはついて行けない生徒でも体育の授業は楽める人が多いようです。
オーストラリアはオーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)に代表されるようにスポーツの国です。体育の授業ではAFLのルールを学び実際にプレーし、ほとんどの学生が広い校庭で英語の授業の時とは違った表情になります。
とても楽しんでいる様子がうかがえます。英語のクラスでは理解できない言葉もスポーツとなると別。このクラスではスポーツに言葉の壁がないことを知らされます。
それでは逆にオーストラリアから来た生徒も日本の体育の授業を楽しめているのでしょうか?
残念ながら 、少なくとも私の学校では体育の時間は留学生同士でかたまって景色を眺めていているだけでこれまた退屈そうでした。
これは恐らく先生達の受け入れ体制が整っていなかったのが原因ではないかと思います。
体育の先生もきちんと全員で楽しめるように説明をすれば良いのに、いつものように日本語で一度説明しただけで彼らに特に英語で説明したりはしませんでした。
恐らく先生は英語が話せないからどのように扱ってよいのか分からなかったのでしょう。
クラスでもみんな英語が話せないので積極的に話そうという人はほとんどいませんでした。
こういうところでも日本人の「間違えるのは恥ずかしい」から話す勇気が出ないという悪い面が出ているようでした。
そういうわけで、私が見た限りではオーストラリアの生徒たちは日本の学校生活は全然楽しめていなかったようで少しかわいそうでした。
私の学校と彼らのシドニーの学校は交換留学をしていたので、私の学校からも何人かシドニーの学校に行きました。
私の親しかったクラスメイトも行ったのですが、彼らは英語が分からないなりにとても楽しんできたようでした。
苦い体験も日本の常識が全てではないと知る良い機会
学校ではつまらない思いをしたであろうオーストラリア人の生徒たちは、日本の各ホームステイ先の家庭ではかなり良い待遇を受けていたようです。
日本人のことですから、初日や最後の日はご馳走を出してくれるでしょうし、休みになるとディズニーランドを始めとするレジャー施設に連れて行ってもらったようです。
私もニュージーランドにワーキングホリデーで行った時の半年間と、オーストラリアで大学に入学して一人暮らしを始めるまでの3ヶ月間、ホームステイをしたのである程度想像できるのですが、日本の家庭と違って外国では留学生が来たからと言って特別な料理などを作る家庭はそれほど多くないのではないかと思います。
私が滞在したオーストラリアのホームステイ先などは、中年の女性が一人だけの家庭で、私が着いた日は「今日は体調が悪いから自分で何か作って食べて」と言ってベッドルームに篭ってしまいました。
自分で作ってと言われてもどこに何があるのかも分からないので仕方なく目についたインスタントラーメンを作って食べました。
この私の体験は極端な例かもしれませんが、ホームステイなどに行っても歓迎の豪華な料理などはあまり期待しないほうがいいでしょう。
ホームステイを受け入れている家庭はそれぞれの事情や理由があるわけですが、私のホストマザーの場合は働いておらず生活費のほぼ全てをホームステイの生徒から得ていたようなので「生活費稼ぎ」が主な目的です。
このような場合は特に生徒に対する「おもてなしのある対応」は期待できないでしょう。
とりあえず普通の料理を出してくれれば御の字です。
学校の交換留学ならばホームステイ先もきちんと調査されているでしょうから、私の体験したホームステイほど酷いのは無いと思いますが。
ちなみに、そのホストマザーのためにフォローしておくと、彼女の場合は色々と問題はあるにしろ、気に入った生徒に対してはとても親切にしてくれました。
幸い私も気に入ってもらえたらしく、その後の一人暮らしのための家探しや引っ越しまで手伝ってくれましたし、生活で困ったときはよくアドバイスをくれたり助けてくれたりしました。
いずれにしても、歓迎の仕方や対応など、日本とはかなり違うところがあるということを身をもって学びました。
全く違う「家族」のあり方
先に紹介したCYCLEの記事の最後に、女性が「オーストラリアのホームステイの注意点」を説明してくれているYoutubeのビデオがあります。
そのビデオの中で「オーストラリアでは家族構成が多様」ということを指摘しています。
これは私がニュージーランドのホームステイ先でも気付いたことです。
その家庭はお父さんとお母さん、8歳の男の子と5歳の女の子が家に住んでいました。
実は、その子供達はお母さんの元の旦那との間にできた子供で、お父さんのほうも一度離婚していて元の奥さんとの間にもうけた男の子が別のところに住んでいるということを知ったのはかなり後になってからのことです。
そして、お母さんの子供達のところには定期的に元の旦那さんが会いに来てどこかに一緒に行ったりそちらの家に泊まりに行ったりしていました。
さらにこのお父さんとお母さんは結婚しておらず、デファクト(いわゆる事実婚)ということでした。
彼らが結婚したのはその後10年近く経ってからで、私もその時に結婚式に呼ばれてニュージーランドに行きました。
日本のごく一般的な家庭しか知らなかった私には事実婚のことを始め、理解できなかったり疑問に思ったりすることばかりでした。
事実婚のカップルが多いのはオーストラリアにおいても同じで、オーストラリアやニュージーランドでは事実婚はある程度の期間一緒にいることが認められると法的に結婚したのとほぼ同様の権利が認められます。
例えば、財産の相続や様々な権利なども結婚したカップルと同じように認められます。
また、離婚した夫婦に子供がいる場合、どちらかが親権を得て引き取ることになるわけですが、もう片方の親には一定期間ごとに子供に会う権利が与えられ、前述の私のホストマザーの元旦那のように定期的に会いに来て一緒に遊びに行ったり泊まりに行ったりします。
私は詳しくありませんが、日本では一度離婚したら子供に定期的に会いに行ったりお泊りをすることはあまりないのではないかと思います。
海外を経験した若者が日本で活躍できるようにするためには
日本とは違う考えや文化や常識を身をもって体験するという意味で私はこのような交換留学や短期留学の体験はとても良いと思います。
冒頭でも述べましたが、年齢的に若いうちにこのような経験をすることで後々の人生に有意義な影響を及ぼすでしょうし、どのような人生の進路を取るにしろ若いうちのほうがやりやすいことは確かです。
日本の若い人たちにはどんどん海外の経験をしてもらって日本で常識と思われていることが一歩外に出ると全く常識ではないということを身をもって体験して欲しいと思います。
さて、最後にもう一つ記事を紹介しておきたいと思います。
孫正義育英財団は昨年12月5日に設立された。未定な点も多いが、ソフトバンク創業者である孫社長の個人資産を財源とし、生徒、学生を対象に、学費や留学資金を無償提供するものだ。つまり、民間の資金をベースとした、返済義務のない奨学金である。
~(中略)~
キーワードは「異能」と「海外」だ。特殊な才能を持った若者に早く海外(主に米国)に出てもらい、才能を開花させてほしい、というのが本音だ。「奨学金はいろいろある。国家予算として支援するものもあるが、異能の若者に支援する奨学金がない。批判もあるだろうが、(異能を強調するために)あえて自分の名前を冠した財団にした」(孫社長)。
~(中略)~
「異能をどう測るか」と聞かれると、「ホームページを開設しただけで『こんなすごい人もいる』と多くの情報がすでに寄せられている」とした。「日本には『出る釘は打たれる』という言葉がある。異能の若者に早く海外に行ってほしい。そうすることで心も育つ」(山中教授)。
学校主催か会社主催かという違いがあるものの、冒頭の短期留学の話に似ている話ですね。
いずれにしてもこのような取り組みが少しずつでも出てきたのはとても良いことだと思います。
少し気になるのは、この制度を始める孫社長としてはそうやって海外を体験した若者が帰ってきてソフトバンクのために働いてくれることを目論んでいるのでしょうが、果たしてそううまくいくものでしょうか?
引用の中で山中教授が指摘しているように、「日本では出る杭は打たれ」ます。
今のままでは、英語ができるようになって能力的にも海外で通用するようになった「異能」の日本人の若者達が、日本に帰ってきて就職してみたら日本の会社の労働環境や待遇に失望してまた海外に行ってしまうなどということが起きそうな気がします。
若者を外に出して色々体験させるのはとても意義のあることだと思います。
しかし、ソフトバンクの労働環境がどれだけ良いか私は知りませんが、そうして帰ってきた若者を受け入れる日本の会社の労働環境を欧米並みにすることはそれと同じくらい重要なことでしょう。
労働者の権利がしっかりと守られている欧米の社会で働く能力があるのに、日本のような長時間残業して働くほど評価されたり、国が定める残業時間制限が60時間とか80時間などという社会で働きたいと思う人はあまりいないでしょう。
まずは短期留学や孫社長の提唱する制度をきっかけとして、日本の会社がもっと人間らしい生活を送ることができるような労働環境になって欲しいものです。
最後に、留学サポートを提供している会社の紹介をさせてください。
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