「残業ゼロ」を謳っているアクシアという会社の米村歩社長が以下のブログ記事の中で「エンジニアはプライベートの時間でも勉強するべき」と主張してネットで議論になっています。
プライベートで勉強という助言と残業ゼロは相反するか?
「プライベートでは一切勉強したくない」と言っていた社員のこと – 株式会社アクシア
業務時間外でも勉強をしているエンジニアから遅れを取っているある社員が社長の米村氏に「どうしたらいいか」と相談してきて、彼は以下のように答えたそうです。
そこで私は「成長したかったら勉強するしかないんじゃないか?」と普通のことを言いました。するとAさんは、絶対にプライベートで勉強はしたくない、プライベートで勉強することは人生の無駄遣いでしかないと反論してきました。
この社長のブログに対して、ツイッター上にあったある意見は以下のようなものです。
残業ゼロを謳うIT企業の社長が「プライベートでスキルアップのための勉強は必要」との主張・・・><
これって要は「エンジニアにとって仕事とプライベートの境界はない」と言ってるようなもので、その前提に立つと「残業ゼロ」というのは見せかけに過ぎないような・・・><https://t.co/IxXrKFtVnM— tohrisugari (@tohrisugari2525) 2018年12月5日
ちなみに、米村氏は記事中で以下のように言っています。
エンジニアの社員がプライベートで一切勉強しなくとも、会社が業務時間中に研修を行えば良いわけで、これを社員にプライベートな時間を使って勉強してこいというのは傲慢です。会社が勉強しろと指示を出すのであればそれは業務時間であり、賃金が発生するわけです。
つまり、米村氏は社員の相談に対して「プライベートで勉強したら?」とあくまでも助言しただけであって、業務命令として言ったわけではないんですね。
そして同時に以下のようにも言っています。
未経験の人でも、プライベートで勉強したくない人でも、採用して業務時間中に研修を行い、エンジニアにしてあげることはできます。しかしだからと言って安易に採用してはならないのだと、私はAさんの事例で反省して学びました。
「でも例え業務命令ではなかったとしても勉強しろと言ってるじゃないか」とか「残業ゼロと言いながらそう言う人は採用しないと言っている」という反論が出てくるわけですが、これは優秀なエンジニアを採用したい会社としては当たり前のことで、不公平でもなんでもないことです。
あなたが社長だったらやはり優秀な人を雇いたいですよね?
会社には誰を採用するかを決める権利があるので、わざわざ優秀ではない人を選ばなければならない義務はないわけです。
プライベートの時間をどう使うかは個人の自由ですが、「使えない社員は優秀な社員よりも給料は低くなるし、下手したらクビになるかもしれませんよ」ということですね。
オーストラリアではプライベートで勉強をする?
さて、上記のアクシアのブログに対して、ヨーロッパでIT会社の社長をしている方が以下のようなコメントをしています。
弊社がプライベートでは一切勉強させない3つの理由 – ヨーロッパで働くIT土方社長のブログ
そんなこと強要したりそんな雰囲気を出したら退職しちゃう
一回社員を集めてそんな話をしたんですよね。そしたら、全員で大反対に合い、その後何人か辞めていきました・・笑えないですね。 個を重んじるヨーロッパの文化の気合の入りようは半端ないです。こいつらは死んでもプライベートを優先します。 欧米の会社も、一緒に遊んだりしてる写真をアップしたりして、うちは楽しいよ!アピールが凄いのもわかりますね。
オーストラリアでも「業務時間外にも勉強しなさい」と言ったら大反発を食らうと思います。
実際に私もアドバイスも含めて上司からそのようなことを言われたことは一度もありませんでした。
「給料が出ていない業務時間外は会社の命令は一切聞かない」が基本ですからね。
ではプライベートで勉強している人はいないのかというと、そんな事は全くありません!
上のヨーロッパの例と同じくオーストラリアでもプライベートを優先しますが、副業で個人ビジネスをやっている人が結構多く、その関係でプライベートの時間にもかなり調査したり勉強したりしています。
そして、そこで見つけた便利なツールや方法などを会社で提案したりするわけです。
日本では社員の副業を許可するかという議論がなされていますが、こう考えると社員の副業というのは会社にとってもメリットがあるんですよ。
そして、こうしてプライベートで勉強して役に立つことを会社に提供できる社員の人達は給料もどんどん上がり、役職も上がっていくのです。
ブラック企業との違い
ブラック企業では残業代を削減するために、「残業させない」と言いつつ、暗黙のうちに社員に持ち帰りを強要したり、「自己研鑽のための勉強」を強制していたりします。
ここで「それはプライベートで勉強するというのも同じことでは?」という疑問が出てくるでしょう。
大きな違いは、社員が自ら「勉強したい」と思っているかどうかです。
「もっと給料をもらいたい」
「副業で稼ぎたい」
から勉強するのか、
「残業しないと終わらない仕事量を課せられたから家でも仕事をする」
「自己研鑽しろと言われたから勉強する」
かの違いです。
まとめ
まとめると以下のようになります。
プライベートで勉強するかどうかは個人の自由。
勉強をする時間の給料を出さない以上、会社が命令してはならない。
ただし、会社は優秀な人を選別して採用したり、給与や待遇面で優遇したりする権利はあるし、優秀ではない社員をクビにする権利もある。
勉強する人が周りにたくさんいた場合、勉強しない人が自然淘汰されていくのは仕方のないことでしょう。
基本的に、家での勉強も副業も好きなようにやれば良いのです。
「給料のため」と言いつつ、やりたくないことをする必要はありません。
もしあなたが「プライベートの時間までITの勉強をしたくない」と言うのならそれはあなたがやりたい仕事ではないということです。
人間、やりたいことをしたほうが遥かにいい結果を出せるのです。
そんな話に興味があったら以下の記事を読んでください。
>>好きな事をし続ければきっと成功する。心のサビが溜まる前に行動するべき理由。