オーストラリアの最低賃金が7月から18.93ドルになります。
労使裁定機関フェアワーク委員会は1日、7月1日から最低賃金を3.5%引き上げ1時間当たり18.93ドル、週当たり719.20ドルとすると発表した。これにより、オーストラリアの最低賃金はルクセンブルクをわずかに抜き、世界最高となった。
日本円に換算すると約1570円です。
オーストラリアでは日本のように地域によって異なる値は設定しないので(というか全国一律でない国のほうが珍しいのでは?)、国内全てでこの最低賃金が設定されるということです。
当然、スーパーのレジ打ちとか、清掃員とか全ての職種で最低が1570円ということです。
対して日本はどうかというと・・・
を見ると、全国平均額はたったの823円。
オーストラリアの半分くらいの賃金ですね。
最低賃金の低さが表しているもの
「じゃあ、最低賃金が低いということはどういうことなの?」といった疑問が出てくると思いますが、かなり興味深いことが書かれている記事を見つけたので紹介します。
「低すぎる最低賃金」が日本の諸悪の根源だ | 国内経済 | 東洋経済オンライン
まず、日本の最低賃金が世界的に見てどの程度の位置にあるのか見てみましょう。
上の記事に以下のような主要国の最低賃金をまとめた画像がありました。
日本の低さが分かりますねー。
こんなので「先進国」なんて呼べるんでしょうか?
上の東洋経済オンラインの記事で言いっていることを大まかにまとめてみました。
- 最低賃金と生産性には強い相関がある。つまり、最低賃金が低い国は生産性も低い。
- 日本人の労働者の質は世界的に見てもトップレベルなのに、最低賃金はワーストレベル。
- つまり、政府は日本人の労働力の質を低く見過ぎているということ。
- 世界の統計的に見て、最低賃金を上げても企業の倒産件数は増えないし、失業者も増えない。
- 日本政府は企業を優遇しすぎ。そして労働者をバカにし過ぎ。
- 最低賃金が上がったら倒産するというような企業に存在価値は無し
かなり辛辣な論評ですが、どれもきちんとデータが載っていて説得力があります。
労働者をバカにしている政府に怒ったほうがいい
そういうわけで、オーストラリアは世界的に見てトップレベルの高い賃金水準なわけですが、だからと言って企業が軒並み潰れたり、失業率がやたら高かったり、景気が悪いわけでもないので、このことから見ても上の記事の正しさを証明していると思います。
日本の場合、サービス残業、自宅持ち帰りの仕事などが横行していますから、それらを含めて実際の時間当たりの賃金を計算したら、上の表の国の中ではぶっちぎりのワーストになるのは確実でしょう。
そんな状況にもかかわらず、日本政府は「裁量労働制」などというものを導入してさらに時間当たりの給料を下げようとしています。
日本政府は企業のご機嫌を取るのもいい加減にしたほうがいいですね。
全く国のためにも国民のためにもなってませんよ。
まあ、政治家は国ではなくて自分たちの票と金のために動いているのは現状を見れば明らかですが。
本当に情けない話です。
昨日、「【単純労働の外国人受け入れ】移民が増えたら心配?日本で働きたい外国人なんて多くないから心配ナシ!」という記事を書きましたが、こんな奴隷的待遇が当たり前のように行われている国にわざわざ来て働きたいという外国人なんてほとんどいないと思いますよ。
50万人に来てもらうとか、まず無理ですね(笑)
「移民が押し寄せてくる」なんていう人は、もっと労働環境が良くなってから心配しましょう。
そうそう、この記事を読んで、「日本と外国では生活にかかるコストが違うから単純に比較できない」とか、「外国ではみんなものすごい時間働いている」とかいう人は以下の記事をどうぞ。
日本の給料はアメリカよりも低い?原因は?呆れる日本人の言い訳3つと1つの真実
そうやって可哀そうな自分たちを正当化するための言い訳をする前に、日本人労働者をバカにしている日本政府を批判したほうがいいですよ。
そのほうがまだマシな社会になる可能性があって生産的です。
そういう言い訳なんてしていても良くなることは一つもありませんし、政治家とブラック企業を喜ばせるだけです。
サービス残業が多くて低賃金なブラック企業で搾取されている人は、まともな転職して自分だけでも防衛しましょう。
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