「薬用石鹸に殺菌効果なし」のニュースから得る教訓とは

今回はいつものような労働環境や海外生活の話ではなく、石鹸に纏わるはなしをしてみたいと思います。

この記事を書こうと決めたきっかけは「殺菌効果を謳う薬用石鹸は殺菌効果が無いだけでなく人体に害がある」というニュースを暫く前に見たことです。

いくつものサイトでニュースとして取り上げられていましたが、参考に一つのサイトを紹介します。

米国で販売禁止の殺菌剤含有の石鹸、日本で野放し…優れた殺菌効果なしと米当局指摘 | ビジネスジャーナル

少し長くなりますが、要点を以下に引用します。

 9月2日、米食品医薬品局(FDA)が19種類の殺菌剤を含有する石鹸などの販売を禁止すると発表し、衝撃を与えている。これらの殺菌剤を含む石鹸は、通常の石鹸と比べて優れた殺菌効果があるとはいえず、かえって免疫系に悪影響を及ぼすおそれがあると警鐘を鳴らしている。

~(中略)~

以前からトリクロサンは危険性が指摘されており、2013年にはFDAがトリクロサンを含む石鹸などを製造する企業に対し、抗菌石鹸の病気予防や感染抑制効果が、普通の石鹸よりも勝ることを実証するよう要求している。そして今回の発表では、トリクロカルバンも同様の危険性があるという。

日本で販売されている殺菌剤使用製品の多くは、「薬用」と名前がついているのが特徴だ。購入前に、成分をよく確認するようにお勧めしたい。

~(中略)~

だが、そもそも抗菌石鹸を使用する必要があるのだろうか。複数の外科医師に話を聞いてみたが、手術をする前でも普通の石鹸で手を洗い、水でよく流し、アルコールスプレーで消毒する程度だという。もちろん、その上で手術用手袋はするが、抗菌石鹸を使うという声はなかった。手洗いに限らず、普通の生活を送る上で殺菌・抗菌という言葉に過敏になっているのではないだろうか。

殺菌して普通の石鹸で洗うよりも清潔になると思って使っていたら、普通の石鹸と同じ程度しか綺麗になっていない上に人体にも有害だったなんて言われたら今まで信じて使ってきた人にとってはびっくりでしょう。

そもそも石鹸で体を洗う必要はあまり無い?

上記のビジネスジャーナルの記事の引用で示しましたが、この筆者は「抗菌石鹸を使う必要性はあまりなさそう」と言っています。

でも私は抗菌石鹸どころか石鹸自体ほとんど使っていません

実は私は何年か前に乾燥肌を改善させるために医者から「暫く石鹸とシャンプーは使わないように」と言われました。

今は使うなとは言われていませんが、石鹸を使わない入浴にすっかり慣れてしまい、その時以来体と頭を洗うのに石鹸やシャンプーを使っていません。

手だけは家事や庭仕事やトイレの後は普通の固形石鹸を使って洗っています。

最初はお風呂で石鹸で体を洗わないことに少し抵抗がありましたが、今では慣れてしまい何とも思いません。

こんな話をすると、「えー、ちゃんと汚れ落ちてるの?」とか、ひどいのになるとダイレクトに「きたなっ!(汚い)」と言われることがあります。

芸能人のタモリが毎日10分程度お風呂に浸かっているだけで石鹸などは一切使ってないという話は結構有名ですね。

私も毎日10分程度の入浴で、その間に頭も洗っていますが、これで十分だと感じます。

髪の毛は最初は「ギシギシ」する感じですが、暫く続けているうちにサラサラになってきます。

こんな方法でも今まで周囲の人に臭いと言われたことはありませんし、汚れが落ちてないとか気持ちが悪いと感じたことも一度もありません。

今となっては、石鹸を使って泡をブクブク立てて洗うことで何となく「いい匂いがしてきれいになった気分」になっていただけのような気がします。

普通の生活では体はそんなに汚れない

そもそも多くの人は普通の生活では汗をかく以外それほど汚れることはないでしょう。

一日が終わる頃には全身泥や油まみれになったりするような人はそれほどいないと思います。

なのでお湯で汗を洗い流すだけで十分清潔さを保てます。

それを石鹸で洗ったり、果てはあかすりタオルでごしごしこするのはやり過ぎでしょう。

私もかなり昔に垢すりタオルを使っていたことがありました。

垢すりタオルを洗面器の中ですすいだ時にそこに浮かぶ垢を見て「たくさん垢が取れてキレイになった」と喜んでいましたが、あれは必要以上に削られた皮膚だったと知ったのはかなり後になってからでした。

せっかく外から来る細菌などから体を守ってくれている皮膚を削り落とすなどどうかしてます

きれいになったと喜んでいたら逆に体に悪いことをしていたという意味では薬用石鹸と同じです。

自然界も人間も細菌だらけ

ところで最近、「マウスやスマホに付着している細菌数を調べたらトイレの便座よりもたくさん菌が付いていた」という研究結果などがよくニュースになったりします。

外で手すりにつかまるのが汚いとか誰かが触ったところを触るのが汚いという人もいます。

でも、そもそも自然界は細菌だらけですし、人間もその自然の中で生きる生物の一つです。

「細菌がたくさん付いていたら不潔」だとかいう事を気にするのはそれぞれ個人の自由ではありますが、でもそう言う人は一体自分がどれだけきれい(無菌)だと思っているのでしょうか?

口内には何万もの菌がいますし、皮膚にもたくさんの菌がいます。

人間自身も細菌だらけです。

人間にとって悪い菌もいれば良い菌もいますが、基本的に生物と菌は共存しているわけですし、全ての菌がいなくなったら人間は生きていけないでしょう。

そもそも、特に殺菌などしなくても人間は自身に害を及ぼす菌から身を守るための様々なバリアの機能を生まれながらにして備えているわけですから、必要以上に菌を殺そうとするのは余計なことであるだけでなく、そのバリアの機能も弱めることになりかねません

今時の人達は清潔(つまり「菌=悪者」で全て殺菌して洗い流す)ならば良いと考える傾向にあります。

それが薬用石鹸が売れた理由でしょう。

私は、「石鹸を使わないと不潔」とか「石鹸を使わないときれいにならない」とか「薬用石鹸でより清潔になれる」などというイメージは全てメーカーの販売戦略で、みんなそれを信じ込まされているだけではないかと思います。

石鹸のメーカーの広告は親子がその石鹸で手を洗っているシーンなどが典型的なものですが、いかにもそれで「清潔」になり「健康な家族」になるようなイメージを見る者に植え付けています。

聞こえは良くありませんが、こういうのは製品を作っているメーカーの「陰謀」です(笑)

自分で調べて納得したものを使うのが一番

私はみなさんに「石鹸は使うべきではない」と勧めているわけではありません。

石鹸を使ったからといって特に周りに迷惑がかかるわけでもありませんし、それぞれが使いたいものを使えばいいと思います。

でも、色々な研究結果を調べたり、実際に(もうタモリがやっていて有名なわけですが)私のように石鹸を使って無くても全然不潔でもなく臭くもないという人がいるということを知っておくことは良いことなのではないかと思います。

メーカーの宣伝で良いと言われて使っていたのに、後の研究で発がん性があるだの効果がないだのと言われるようになる物は今までたくさんありましたし、確実にこれからもたくさん出てくるでしょう。

古くは赤チン(最近の若い人は知らないと思いますが)から始まり、少し前だとマイナスイオン、最近のものでは水素水など・・・挙げればキリがありません。

メーカーがその危険性を知らずに販売しているものもあれば、危険性を認識していたり有効性に疑問があるのに「流行っていて売れるから」という理由で知らん振りをして売っている場合もあるでしょう。

今回の薬用石鹸のように、国が「安全です」と言っていても海外の国では禁止されているものもたくさんあります。

いずれにしても後から「それは効果が無いことが分かりました」とか「それは害であることが分かりました」という製品が何と多いことか。

メーカーの広告に振り回されたり、研究に振り回されたり、果ては国に振り回されたりして、つくづく面倒な社会になったものです。

でもこれだけ言っておいてなんですが、結局のところ、何が真実かということは誰にも分からないのです。

最新の研究で出された結果であっても来年になったらまた違う発見がされているかもしれません。

もしかしたら今回槍玉に挙げられてしまった薬用石鹸も、何年か後になったら「やっぱり殺菌効果がありました。しかも有害でもありませんでした」という研究結果が出てくるかもしれません。

結局のところ、真実が分からない以上、むやみに広告や研究結果などに振り回されず、自分でよく考えて納得したものを使うのが一番ということです。

自分でいろいろ調べてその時点で納得して使っているものが後から有害指定されたとしても、「あの時点では自分で最良のものを選んだのだから仕方がない」と思えるだけまだマシでしょうから。

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かわずん
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アンチ・ブラック企業ブロガー