「同僚が長期休暇を取ったら迷惑」と思う人は、自分が社畜であることを気付いたほうがいいですよ

突然ですが、有給で20日の連休は取っても良いのでしょうか?

部下が1人で宣言「有休消化で20連休します」、上司は「職場秩序」の崩壊恐れ苦悩 – 弁護士ドットコム

ここで回答している弁護士さんは、法律的には問題が無いと言っています。

もっとも、使用者は『事業の正常な運営を妨げる場合』に該当すると、時季変更権を行使することができます(労基法39条4項但書)」

ーー「事業の正常な運営を妨げる場合」という理由を柔軟に使われると労働者は休みにくくなりそうです

「この『事業の正常な運営を妨げる場合』の要件はかなりハードルが高く、使用者は、当該労働者の担当業務内容や休暇期間を考慮の上、代替要員が確保できるかどうか検討や調整の努力をしなければなりません。ですので、その検討もなく長期休暇を拒むことはできません。

まあ、当然ですね。

有給は入社するときの労使契約に書かれている「約束」であり、当然の権利ですからね。

批判の根拠はいつも「協調性」

しかし、上の記事に出てくる、「20連休を申請した人」に対するネットの意見がかなり酷い。

ネットの反応と言っても、ある2chのまとめサイトのものですが。

ここで少しだけ紹介しましょう。

「権利だから主張するのは良いけど、協調性ない人だなとは思う」

「有給を取る権利はもちろんあるけど、さすがに20連休は周りに迷惑かけるだろうし私なら取れないな」

「なんか権利だけ主張する人増えたよね 組織の一員として働く以上は協調性だって大事だと思う」

「社会に属するなら能力も大切だけど、協調性も大切だからね。」

「仕事がなんのしわ寄せもなく回るならいいけど、実際は他の人がその人の分やってるだけだからそりゃあ文句は言われるよね」

などなど。

たくさんありすぎて全部書ききれません。

中には肯定的な意見もいくつかありましたが、ほとんどが否定的。

元スレは知らないですが、否定的なものだけまとめられたのかな?

本当は自分たちも休みたいんでしょ?

上のような発言をした人たちには、「あなた達も本当は長期休暇欲しいんでしょう?」と聞いてみたいところです。

できたらあなたたちも20連休取りたいんでしょう?

でも、「良識的な社会人」を装っているだけでしょう?

本当に心から休みなく働きたいと思っている人はいいですけどね。

それは協調性ではなく同調性

まず、有休取得に条件が付くこと自体がおかしなことです。

これは冒頭の弁護士さんが述べている通りです。

なのに、なぜか日本の社畜達は、自分たちで勝手に「連休を取るのは迷惑」などというルールを作り、それを周りの人にも押し付けます

なお、上のような発言を見て分かる通り、この「社畜さん達」は自分たちは「良識的社会人」であり、社畜だなどと思ってもいないところがタチが悪い。

20連休する人は迷惑でもなんでもなく当然の権利を行使しているだけですが、逆に、このような社畜達はかなり迷惑ですよ。

会社にしてみれば、社畜は正当な権利を主張する社員をけん制してくれるありがたい存在だと思いますが。

社畜達は「協調性、協調性」と言っていますが、長期休暇を取らないことは協調性でもなんでもなく、ただの「同調圧力」「同調性」ひいては「社畜性」です。

ちなみに、日本でよく重要と思われている、「空気を読む」というのも、「周りと同じになれ」という同調圧力です。

長期休暇によって他の社員にしわ寄せが行くから文句を言われるというのも、怒りの矛先が全然間違ってます

このことは今までにも何度も言ってますが。

怒るべきは、残りの社員にしわ寄せをしないと仕事が終わらないような人員しか確保していない会社です。

誰かの長期休暇で労働力が足りなりそうであれば、代わりの一時的な要員を確保するか、仕事を遅らせるか、減らすかしてうまく会社が回るように計画を立てるのが管理者の仕事です。

「そんなことで一々人員を確保してたら会社が成り立たない」って?

それは経営者や管理者が考えることです。

平社員が「経営者目線」で心配する必要は無いんですよ。

会社の経営を心配するのは、給料をたくさんもらっている「上の人たち」のお仕事です。

大した給料を貰ってない平社員が会社の経営の心配までする必要なんて無いのです。

自分のために同僚を気持ちよく休ませる

みなさんも一度は聞いたことがあると思いますが、欧米の会社の社員は普通に1ヵ月とかの休暇を取ります。

私も会社員だったときは毎年普通に4週間の休みを取っていました。

そして、休暇を申請したときに「協調性が無い」なんて言う社畜は誰もいませんでしたよ。

みんな普通にそうやって長期休暇を取るのだから、同僚が休むのを責めるはずがありません。

もちろん、休暇前にある程度引き継ぎをして同僚に仕事を任せることはありますが、だからと言ってその同僚が残業をしてまで頑張って自分の仕事と休みの人の仕事をするという事はありません。

定時までに終わらなかったら次の日にやるだけです。

日本の会社は「残業してでもその日に終わらせろ」という姿勢だから社員同士で「休む人は迷惑」という意識が出るわけです。

でも、それにしたところでやっぱり休む人ではなくて無理筋を言う会社が悪いんですよ。

日本の外の国では、同僚を気持ちよく休ませてあげるから、自分も気持ちよく休めるんです。

誰かが休んで「しわ寄せ」を被ったら、「迷惑を考えろ」「協調性が~」なんて子供みたいな文句を言う前に、しわ寄せの本当の原因がどこにあるのかよく考えてみることです。

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かわずん
アンチ・ブラック企業ブロガー