民泊開業奮闘記

民泊開業奮闘記~融資の可能性を探る(2)~公庫と旅館組合の話


前回の「融資の可能性を探る」の記事では、私の税理士に公庫からの不動産への融資の可能性を聞いてもらったらものすごく厳しい返事が返ってきたことを書きました。

民泊開業奮闘記~融資の可能性を探る(1)~公庫?信金?不動産投資を始める時は自分が買いたいなと思っている物件が出てきたら早めの段階で融資が引けるかの感触を得ていた方が良いでしょう。今回は筆者が見つけた戸建てに対する融資が果たして通りそうなのかを探っていく過程をお見せします。...

でも、私が参加している大家の会で聞いたところ「そんなことないと思う」という声がいくつか聞こえてきて、どっちが正しいのか分からなくなったので、ダメもとで公庫に直接聞きに行くことにしました。

目次

公庫に行って聞いてみた

大家の会のある人に「公庫の融資の最初の相談は気軽に行って大丈夫」と言われていたので、短パンにサンダルで行ってきました←気楽すぎ?(笑)

私は今回は目を付けた戸建て物件を旅館に用途変更して運営するつもりなので、「物件を購入して旅館をやりたいと思っているので、どんな融資が受けられるのかお聞きしたいのですが」といった感じで、融資の窓口にいた女性に聞いてみました。

すると、いくつかパンフレットを渡され、「旅館業をするなら旅館組合の組合員になるか、生活衛生営業指導センター経由で融資を受けることになるので、まずはどちらかにお話を聞きに行ってみてください」と言われました。

あと、旅館組合を通して融資を受けると利率が下がるらしいです。

旅館組合に所属しない場合は生活衛生営業指導センターから推薦状をもらって融資を受けることになりますが、その場合は利率の優遇は無いそうです。

生活衛生営業指導センターに行ってみる

利率が下がるのは嬉しいのですが、旅館組合のサイトを見てみたところ、どうも民泊には反対の様子。

そもそも民泊新法が制定されたのだって旅館業界が民泊に大反対したからですし。

そう考えると、法律的に仕方がなく旅館業を始めると言っているだけで、伝統的な旅館のスタイルではなく民泊をしたい私としては「冷遇されそう」という思いから、とりあえず生活衛生営業指導センターに行ってみることにしました。

生活衛生営業指導センターは、生活衛生融資の相談指導や経営相談を始めとした生活衛生営業関連の業務を行っている公益財団法人です。

行く前にあらかじめ電話で連絡してみると、いつ来ても大丈夫な感じで、すぐに旅館業の担当者に会うことができました。

この担当者のおっちゃんは、公庫で30年間働いて引退後にこのセンターで働くことになったらしく、公庫からの融資のことを聞きたい私にはものすごくありがたい存在です。

そのおっちゃんと1時間程度話をしたのですが、まず言われたのは、旅館業として民泊を始めるならやはり組合に入った方がお得ということ。

現在の公庫の利率を教えてくれ、融資額を元に返済額を計算してくれて、「旅館組合の組合費がこれよりも大きいということはあり得ないから組合に入った方がいいと思いますよ」などと教えてくれました。

ちなみに、組合経由だと利率が1%も違ってくるそうです。

もう一つは、センターと提携している税理士が経営アドバイスをしてくれるサービスがあり、希望するなら予約しますよということで、ありがたく使わせてもらうことにしました。

公庫に融資時に提出する事業計画書や損益計算書のチェックもしてくれるらしいです。ありがたい!

ちなみに、税理士の相談報酬は3万円らしいですが、それはセンターが支払ってくれるそうです。すげー!(税金から出ているわけですが・・・)

そして、「このベテランのおっちゃんなら何か知ってるかも」と思い、私の顧問税理士経由で聞いた「現在は公庫から不動産への融資は一切されていないと聞いた」という話をしてみました。

すると、「うーん、そんなことないと思うけどなぁ。誰が言ったのか分かりますか?〇〇君かな~?」と言ったので、私の税理士が教えてくれたその公庫の担当者の名刺を見せました。

おっちゃんは名刺を見つつ、「ちょっと今公庫に電話して聞いてみましょう」と即座に公庫に電話をして気軽に話し始めるおっちゃん。さすが公庫歴30年!

結論としては、民泊新法の元でやる民泊に対しては融資はしないけど、旅館業としてやるなら融資の可能性は全然アリということでした。

私は顧問税理士に聞いたときにちゃんと、「旅館業として民泊をしたい」ということは伝えていたのですが、どこかで言葉の行き違いがあったのかもしれません。

なんにしても、利率的に有利な公庫からの融資の可能性があるということを聞けただけでも大きな収穫です。

最後に、「とりあえず旅館組合に行ってみて、話だけでも聞いてきてはどうですか?今から行くのなら電話しておいてあげますよ」と言われたので、組合への連絡をお願いして旅館組合に行ってみることにしました。

このおっちゃん、本当に親身に話を聞いてくれて、その上、知識も豊富で、しかも、必要なところにすぐに電話して聞いたり予約を取ってくれたりして感動するレベルのサービスでした。

「引退後もここで働いていてくれてありがとう」と心の中でお礼を言いました(あ、ちゃんとお礼は言いましたよ)

旅館組合に加入する

時間があったのでその後すぐに旅館組合に行きました。

結論は既に↑で書いた通りなのですが、結局、旅館組合に入ることにしました。

話をしている間は「民泊」という言葉をできるだけ出さないようにして、「この戸建てを買って旅館をしたいと思ってます」という感じで説明していきました。

組合に加入すると、何か付き合いがあったり、値段設定で口を挟まれたりするのではないかと危惧していたのですが、そういったことは一切なく、毎月会報が送られてくるくらいですよということでした。

一つ問題になりかけたのは、旅館組合に入る人はそのほとんどが既に旅館を経営している人らしく、私のように旅館を持っていないのに入るという人が今までいないということでした。

「前例がない」というやつです。

ちょっと分からなかったのが、私のように旅館を始めるために公庫からの融資が必要で、そのために組合に入りたいという人がいなかったのか?ということです。

話をした旅館組合の人は、「うーん、この場合、加入できるのかな~。でも、公庫からの融資を受けるために加入したいわけだから、物件を買う前じゃないとだめですよね~」と言ってかなり悩んでいました。

結局、「理事に大丈夫か聞きますが、多分大丈夫でしょう」ということでその場で加入が決まりました。

ちなみに、組合加入費は1万円で、さらに組合費を毎年払うことになります。

組合費は部屋数によって違うのですが、私のように小さい旅館の場合は年1万2千円ということでした。

組合経由で融資を引いたときに割り引かれる利率を考えるとお得すぎる値段です。

しかも、組合費の支払いは実際に旅館を始めてからでいいとのこと。

ちなみに、組合に参加していると旅館のNHKの受信料も割引きの値段になるそうです。

まとめ

今回の教訓は、「気になることは他の人から何を言われても自分で真実を確かめること」ですね。

自分で行動したおかげで、センターのおっちゃんのような良い人にも巡り合えました。

センターが紹介してくれる税理士の経営コンサルティングは2週間後に予定されているので、コンサルが終わったらまた詳細を記事で紹介しようと思います。

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