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コロナ融資を申請して通らなかった話

コロナで売り上げが減少している企業向けに様々な融資や補助が出ていますね。

私の法人ではちょっと前に戸建てを買ったものの未だに入居者が付けられていません。

原因としては、中国でコロナが深刻になり始めて資材が滞り始めたせいでリフォームが遅れ、リフォームが完了するころには日本がコロナで緊急事態宣言真っ最中になってしまったというのが大きいと思っています。

不動産屋さんに聞いたところ、賃貸物件の問い合わせが普通の半分以下に落ち込んでしまったということでした。

売り上げが出てきてないとはいえ、そろそろ創業して1年が経つので私自身への報酬支払いや従業員として登録している妻への給与の支払いをする段階に来ています。

そこで、コロナで影響を受けている会社としてこれらの運転資金を得ることが出来ないかと考えました。

創業して間もない会社に冷たい補助制度

とは言え、私の法人で申請できる融資は殆どありません。

なぜなら、融資・補助金の条件がまず100%と言っていいほど過去の売り上げと比較して減少していないとならないというものだからです。

一期も終えてないような、創業して間もない法人にも出る融資も発表されましたが、それにしたところで「過去にいくらかの売り上げがあって今減少している」というのが条件です。

つまり、私のように「設備投資を済ませてこれから稼ぐぞ」と言う会社には全く補助が無いということです。

これって酷くないですか?

一般的に考えて、創業し立ての会社は設備にお金をかけたけど売り上げは出てないのが普通だと思うんですよ。

うちの会社もまさにそれで、家を買ってリフォームしてやっとこれから賃貸に出して売り上げを出していこうとしているところだから、当然売り上げはゼロ。

過去と比較しようにもゼロと比較してそれ以下になるはずもない。

でもこういう会社が一番助けが必要なはずなんです。

だって、設備投資で体力を使い果たしていて、残った資金が少ないわけですから。

これが、若い企業でも設立から数年経っている会社なら少しは資金が貯まり始めていて短期間なら持つはずです。

このような「補助のすき間」にハマってしまった創業し立ての企業の中には、資金が無くなりこのコロナ騒動であっという間に廃業になる会社がどんどん出てくるのではないかと予想してます。

今回申請した融資の種類

そういうわけで、とりあえずダメ元で申請してみたのが「セーフティネット貸付」です。

「セーフティネット貸付の要件を緩和し、支援対象を今後の影響が懸念される事業者にまで拡大します」とリンク先に書かれているように、数ある融資や補助の中で唯一とも言っていい「売り上げの減少」の条件が無い融資です。

申請はオンラインから行いました。

申請方法は上のページに記載されていますが、私が提出したのは「新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少の申告書」と「ご商売の概要」で、どちらも公庫のページからダウンロードできます。

内容的にはどちらも簡単なものでした。

融資希望額は300万で出してみました。

申請したのが4月25日で、次の日に公庫から電話があり、「売り上げの実績が分かるものを送ってください」と言われました。

実は、不動産賃貸だけだと中々売り上げが立たないので2月から業務委託という形でソフトウェア開発を法人で受け負い始めたのですが、この「売り上げの実績」と言うのはこちらの売り上げのことです。

ソフトウェア開発で売り上げが出ているなら運転資金は融資を受けなくていいんじゃないの?と思うかもしれませんが、業務委託などはいつ契約が打ち切られるか分かりませんし、不安定なものなので、資金は多いに越したことは無いのです。

そういうわけで、早速次の日に取引先へ送った請求書のコピーを公庫に郵送しました。

やっと連絡が来て面談するも融資は出ないことに

それからずっと音沙汰無しだったのですが、公庫もコロナ融資対応でものすごく忙しいだろうからと思い問い合わせをせずに待っていました。

そして申請から一ヵ月経ってやっと電話が来て面談に来てくださいと言われました。

今は三密を避けるために電話だけの面談になっていると聞いたことがあったので驚きましたが、次の日に予約を取って店舗に向かいました。

ちなみに、当日は売り上げの実績が分かるものと法人と個人の通帳を持って来てくださいと言われました。

売り上げの実績が分かるものと言うのは具体的には1期が終わっているなら決算書、そうでなければ帳簿や試算表などです。

当日、担当者に会って最初に、なぜ直接会っての面談になったのかということを聞いたところ、今まで取引があるところの場合は電話だけになることが多いけどそうでない場合は直接会うことになっているんですという答えが返ってきました。

面談で話したことは、現在契約しているソフトウェア開発で行っている業務の内容やその売り上げについてなどです。

そして担当者から言われたことは以下のような感じでした。

  • まず、ソフトウェア開発のほうで出ているので売り上げ減少とは見なせない
  • 不動産賃貸で一件も売り上げが出ていないので不動産賃貸業とは見なせず、ソフトウェア業と見られる
  • ソフトウェア業としたときにコロナ後でも利益が出ているのでコロナの影響があるとは見なせない
  • 今のところ売り上げが下がる予測は立てられないし、現在の売り上げで十分報酬なども支払っていけそうだから運転資金で融資が必要とは思えない
  • コロナではない通常の運転資金の融資に切り替えたとしてもソフト開発のほうで経費が殆どかかってない(経費は電気代くらい)ので、出せたとしても数十万円でしょう(運転資金は通常経費の何か月分という計算で出される)
  • 例えソフト業で売り上げが無くなったとして融資を受けたとして、今度はどうやって返すのかと言う問題が出てくる(現在は一社だけとしか契約してないのでゼロか満額かしかないため)

以上のことから、融資を出せるとしても少額だし、無理に少額の借金をする意味もあまりなさそうだし手間もかかるからやめたほうがいいのではないでしょうか?ということを言われました。

私としては、冒頭にも書いた通り業務委託である以上、会社員の給与のように安定した収入では無いので資金を安定させる意味でも融資があると安心できたのですが、こう言われてしまってはどうしようもありません。

普通、売り上げがあったら返済の見込みが立つので融資を受けられると思うのですが、今回はそれもダメ。

逆に売り上げが無くなったらどうやって返済するんですか?と言うのなら、「それじゃ、どうやったら融資を受けられるんですか!」と言いたくなりました(笑)

なんにせよ、話が上手い人や交渉次第ではまた別の結果になったのかもしれませんが、私程度の経験値では無理なようでした。

面談が終わって思ったこと

私が所属している大家の会では「〇百万の融資が通りました!」とか威勢のいい話が飛び交っていて、私もそんな話ができれば良かったのですが、そううまくは行きませんでした。

でも、先に書いた通り、売り上げが全く出ていなかった会社への融資は一つもない状況ですし、そういう会社ほど今助けが必要なはずです

逆に、それほど困っているわけでもなく十分な資産と資金があるのにここぞとばかりに手持ちの現金を厚くするために「売り上げが減少してます!」とコロナ融資を申請して獲得している人達を見ると「この融資はちゃんと困っている人達に提供されているの?」と疑問に思ってしまいます

面談の後半に担当者が何度も言っていたのは、「ソフトウェア開発のほうで基盤を作り、その資金を不動産に回すのはとてもいいやり方だと思います」ということ。

公庫では創業から2期を過ぎると色々な融資が使えるようになるからそれまでは資金を貯め、その後に融資を利用しながら不動産を増やしていくのがいいでしょうというアドバイスをしてくれました。

私も今は基盤を作る時間にしたほうがいいと考えていたので、今後はコロナ融資や周りの雑音は気にしないことにし、当分は資金を厚くすることに集中することにします。