会社設立

会社設立freeeで不動産賃貸業の合同会社を設立したので手順を一から解説。


私はこれから不動産投資(日本では不動産賃貸業と言うべきらしいですが)を始めるのですが、一棟目の購入から法人でやるつもりなので合同会社を設立することにしました。

この記事では、過去に会社を設立したことのないド素人の私が「会社設立freee」というサービスを使って合同会社を設立するまでをまとめてあります。

目次

自分で合同会社を作る方法は?

合同会社を作るには行政書士に頼んで全部やってもらう方法と、これから説明するfreee
のようなDIYの方法があります。

それぞれ利点・欠点はあるものの、DIYの最大の利点はコストを大幅に抑えられること。

司法書士に全部丸投げで依頼すると大体10万円~になると思いますが、自分でやれば6万5千円程度に抑えることが出来ます。

ちなみに、feeeの他に、マネーフォワード会社設立ひとりでできるもんなど類似サービスがありますが、どれも同じような感じで値段もほぼ一緒。

どれを使っても良いので、今回はクラウド会計で有名なfreeeを使ってみました。

なお、会社設立freeeでは株式会社を設立することも出来ます。

事前に用意しておいたほうが良いもの

今回合同会社を設立してみて、予め用意しておくとスムーズに事が運ぶなと思った物です。

代表者の実印

実印はシャチハタなどのゴム印でなければ何でも良いのですが、まだ印鑑を持ってない場合は量産品でないものを買うと良いでしょう。

アマゾンなどで結構安く買えます。

印鑑証明書

印鑑を作ったら実印登録をして印鑑証明書を発行してもらいます。

登録と証明書発行は近くの市区町村役場でやってくれます。

費用は役場によって違いますが、私の場合、実印登録が300円、証明書発行が200円でした。

本人が運転免許証などを持って窓口に行けばすぐに登録と証明書発行をしてくれます。

会社印

実印、銀行印、角印の3種セット。会社設立freeeを始めとした会社設立のサービスでついでに買えるようになっていることが多いですが、オンラインショップでより安く購入できます。

会社印を注文する

資本金

合同会社の資本金は1円以上であればいくらでも良く、借りたお金でも良いですし、手持ちの口座のお金を別の口座に移動するだけでもOKです。

ただ、1円などあまりにも少ないと後々銀行口座を作るときや融資を受ける際などにやる気があるのかを疑われるとか?

資本金を決める時は色々調べて慎重に決めるのが良いでしょう。

会社設立freeeで合同会社を設立する

では早速、会社設立freeeを使って合同会社を設立してみましょう。

feeeのアカウントを登録する

まずは会社設立freeeを開いて「無料で設立書類を作成」ボタンを押し、freeeのアカウント登録画面に行きます。

必要な項目を入力して「freeeを始める」ボタンを押します。

もちろん、GoogleやFacebookのアカウントを使用しても良いですし、既にfreeeのアカウントを持っている方はそれでログインすればOKです。

設立時期などの質問に答える

ここも当てはまるものを選択していってください。

社名を入力する

社名を入力します。

最初は株式会社のフォームが表示されるので、右上にある「合同会社の方はこちら」ボタンを押し、合同会社のフォームにします。

「前同」「後同」は社名の前に合同会社を付けるか、後に付けるかです。

名前とカナが入力出来たら「保存」ボタンを押します。

会社の住所を入力する

会社の住所を入力します。

注意書きにある通り、住所の番号部分は「1-12」のように省略せず、1丁目12番地のようにする必要があります。

代表役員を入力する

代表社員の名前や住所を入力します。

ここの住所の欄も会社の住所と同じく番号は省略せず、丁目、番地などの形式で入力します。

ちなみに不動産賃貸業の場合は50万~200万程度にする人が多いようです。

ここで決めた金額を自分の銀行口座(会社はまだ設立してないので会社の口座ではありません)に入金して、実際にそのお金を持っていることを証明する必要がありますので、50万しか持ってないのに100万を出資金として設定したりしないように気を付けてください。

代表社員が複数の場合はフォーム内の指示に従って必要な人数分入力します。

事業目的を入力する

事業目的の部分を会社設立後に変更する場合は手数料がかかるので、将来やる可能性がある事業を全て登録しておくべきと言っているサイトなどもありますが、不動産賃貸業の場合、あまり関係ないものを書いてしまうと銀行から融資を受ける時に拒否されるという話も聞きます。

なので、不動産賃貸業の場合は「不動産の賃貸及び所有・管理・利用」「前各号に付帯関連する一切の事業」という二つにしておくのが無難なようです。

なお、freeeのフォームでは、「前(各)号に付帯関連する一切の事業」は自動で入力されます。

決算期を入力する

決算期は資本金が1千万円未満の場合は設立月の前月とすると税務上もっともお得ですと書かれていますので、特に理由が無ければ素直にそれに従いましょう。

というか、freeeが自動で入力してくれます(笑)

公告の方法を選択する

合同会社には決算の公告義務が無いため、「官報に掲載」を選び必要な時のみ公告をするのが一般的と書かれていますので、ここでは「官報に掲載」を選択します。

連絡先、準備する書類をチェックする

以下の項目は自動で入力されていると思いますが、必要であれば変更してください。

「個人の印鑑証明書」の箇所は、右側に「準備完了」というボタンが表示されるはずですので、準備が出来たらボタンを押してください。

会社印を注文する

「会社の印鑑を注文しましょう」の項目は以下のようになっています。

この項目ではfreeeを通して印鑑を注文できるようになっていますが、アマゾンなどのオンラインショップで買うともっと安いものがありますので、手間が気にならなければ自分で用意するのをお勧めします。

私は印鑑には全く拘らないので、こんな感じ↓の2000円台のもので評価がある程度高いものを選びました。

社印は実印、銀行印、角印の3種セットのものを注文することが多いと思いますが、注文時にそれぞれの印鑑の書体を選択する必要があります。

社印を作るのが初めての場合、どんな書体が適当なのか迷いますね。

私は「印鑑の書体は種類ごとにおすすめが違う!選び方を徹底解説 | 印鑑・はんこ通販サイトの一括横断検索「印鑑.com」」のページを参考にしました。

ちなみに、それぞれの印鑑の使い分け方について気になる方は「会社印鑑の作成・登録から証明書発行までを解説 | 実印のおすすめ情報と人気ランキング」を参考にしてみてください。

全て入力し終わったら一番下の「登記手続きに進む」ボタンを押します。

定款の認証方法を選択する

定款の認証方法は電子定款か紙定款を選ぶことが出来ます。

電子定款は5千円、紙定款は4万円の費用が掛かります。

特に理由がない限りは電子定款を選び、freeeと提携している行政書士に5千円を手数料として支払うことをお勧めします。

なお、電子定款の場合はPDF化された書類をCD-Rに入れて役所に提出する必要がありますので、CD-Rを持ってない方は予め100円ショップなどで買っておくと良いでしょう。

それにしても「今時CD-Rかよ」と思ってしまいますね。最近のMacなどはドライブが付いていないので困る人も多そうです。

定款の内容を確認する

ここまで来たら定款が出来上がっていますので、念のためPDFかWordでダウンロードして内容を確認しておきましょう。

定款を見ると段々と「自分の会社が出来上がってきた」という気持ちになってきますね~

行政書士に認証を依頼する

freeeと契約している行政書士に定款の認証を依頼します。

ここで代表者個人の印鑑証明書のアップロードが必要となりますので、「Browse」ボタンを押して印鑑証明書をスキャンしたファイルを選択します。

ちなみに私はスキャンするのが面倒だったのでスマホで撮影したものを提出しましたが、全く問題ありませんでした。

全て準備が整うと「専門家に共有」ボタンが青くなり、押せる状態になりますので、ボタンを押して認証を依頼します。

行政書士への手数料振り込みとアンケートの回答をする

認証依頼後すぐにfreeeから今回の認証を依頼された行政書士からの自動メールが届きます。

手数料(代行費用)はfreeeの年間契約をするか、お急ぎプランを選ぶかで違ってきます。

私は通常プランにするので5000円をメール内に記載されている行政書士の口座に振り込みました。

手数料の振り込みが済んだらメール内に記載されているアンケートURLを押し、質問事項に答えて送信します。

今回は送信後30分程度で担当行政書士から依頼を受けた旨のメールが届きました。

私の場合はこの処理をした辺りでfreeeから電話があり、何か分からないこと・困っていることは無いかなど聞かれました。

税理士に関するちょっとした知識を教えてくれ、同時に会計ソフトfreeeの宣伝も(笑)

でも全然押し付ける感じではなく好印象でした。

何か疑問点があったらここで聞いてみると良いでしょう。

行政書士が認証した定款をCD-Rにコピーする

行政書士から認証された定款が届いたらCD-Rにコピーします。

私はWindows10を使っているのですが、普通にエクスプローラーにファイルをドロップする方法でCD-Rにコピーして法務局に持って行ったところ、後から「CDの中身が空です」と言われ、結局CDやDVDに書き込む専用のフリーのソフトを使って再提出することになってしまいました。

CD書き込み後に内容をチェックしていたのですが、もしかしたら機種の違いなどで読み込めないこともあるのかもしれません。

真相は不明ですが、できるだけ専用ソフトを使う事をお勧めします。

可能なら、他のパソコンで読み込めるかをチェックしたほうが良いでしょう。

資本金の払い込みをして証明書を印刷する

行政書士から定款の認証が来たら資本金の払い込みをします。

基本的に、認証が来る前に払い込みをしてしまうと法務局に「払い込み日は定款の認証後でないとなりません」と指摘され、再度払い込み処理をした上で通帳のコピーを再提出する羽目になりますので注意してください。

ただし、行政書士からのアンケートで資本金払込日を明記した場合はその日以降の払い込みであれば問題ありません。

通帳がある場合は通帳の表紙、裏表紙、払込みが印字されているページを印刷します。

ネットバンクの場合は通帳がありませんので、入金履歴が分かる画面を印刷します。

登記書類を印刷してまとめる

freeeから登記書類をダウンロードして印刷します。

ダウンロード前に「登記書類を提出する日」を設定するのを忘れないように注意してください。

印刷したらまとめ方を参考にして登記書類をまとめます。

法務局に登記書類を提出する

freeeの指示通りまとめた登記書類、定款を収めたCD-Rを法務局に提出します。

親切なことに、freeeがあなたの住所に一番近い法務局の場所を教えてくれます。

合同会社の登録税の6万円の現金を持って行くのを忘れずに。

ちなみに、印紙は法務局で購入することが出来ますので、法務局に着いたらまず6万円の印紙を購入し、「登録免許税納付用台紙」に貼り付けてから書類を窓口に提出します。

また、freeeにも書かれているとおり、会社印、個人の実印も持って行きましょう。私は念のため、資本金を払い込んだ通帳、定款のコピーも持って行きました。

法務局の窓口では係の人が書類に不備がないかをその場でざっとチェックしてくれます。

このチェックは5分程度で終わりますが、後程、担当の人が登記をする際に不備を発見して連絡してくることがありますので、最初の係の人のチェックはごく簡単なものということです。

会社設立までを時系列でまとめてみた

合同会社を設立するまでの流れをざっと並べてみます。

大体何日くらいで出来るかの目安になるかと思います。

1日目(金) freeeで行政書士へ認証を依頼し、手数料振り込みを行う。
アマゾンで会社印を発注。
2日目(土) 動きなし
3日目(日) 会社印が届く(めちゃ早い!)
4日目(月) 動きなし
5日目(火) 動きなし
6日目(水) 行政書士から認証済みの定款が届く。
必要書類に印鑑を押してまとめる。
7日目(木) 法務局に登記書類を提出。
後から電話があり、CDが空であることを指摘される。
8日目(金) 作り直したCDを再提出する。
昼過ぎに法務局から電話があり、登記が完了したことを伝えられる。

行政書士への依頼が完了したのが金曜の夕方4時頃で週末を挟んだので、もし月曜に始めていればもっと短期間で完了したかもしれません。

また、8日目の金曜日の朝に定款を保存したCDを再提出しに行ったのですが、その時に「登記完了は週明けの月曜日になります」と言われたものの、お昼の1時過ぎに電話があり、登記が完了したことを伝えられました。

普通は最低でも翌日までかかると思うのですが、前日に定款以外の書類が揃っていたからかもしれません。

ということで、私の場合は合計8日間で会社を設立することができました。

会社設立して思ったこと

まず、印鑑の作成の早さには驚きました。

しかも私が印鑑の文字として指定した内容に誤りがあったのですが、それをきちんとチェックして指摘してくれたことです。

印鑑の出来も中々。

安いのにちゃんと仕事をしてくれて大満足でした。

そして、肝心の会社の設立自体は「面倒」の一言です。

電子定款ができて昔よりは簡単になったのでしょうが、印鑑を何回も押す作業や、行政書士とのやりとり、資本金の払い込み、CD-Rで持って行かなければならない定款、電子化されているのはそこだけでその他の書類は紙ベース。

そして、なぜか会社を設立するだけで6万円もの税金を支払わないとならない。

かなりうんざりしました。

オーストラリアでは30分もあればオンラインで全て完了し、費用も税金もかからずに会社を設立できます。

オーストラリアだけでなく、会社が集まってくるシンガポールなどもそうだと思いますが、そういった国々と比べて日本のシステムは旧態依然としていて遅れていると感じました。

日本語に問題が無い私でも結構大変だったので、言葉だけでなく社会の仕組みが違う外国人が日本で会社を設立するのは至難の業だと思います。

世界の国々と渡り合うならまずはこういったところも改善するべきでしょうね。

会社の設立が完了したら続けて各役所に法人設立の届け出を提出する必要があります。

詳しくは以下の記事で。

会社設立freeeを使った合同会社の登記完了後の手続きを解説。年金事務所、税事務所、都道府県税事務所、市町村役場への届け出。会社設立freeeで会社を設立した後に必要な、年金事務所、税事務所、都道府県税事務所、市町村役場への届出書についてを解説。...

>>会社設立freeeを使った合同会社の登記完了後の手続きを解説。年金事務所、税事務所、都道府県税事務所、市町村役場への届け出。