日本の給料はアメリカよりも低い?原因は?呆れる日本人の言い訳3つと1つの真実

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「アメリカのエンジニアの年収が日本と比べるとかなり高い」という記事がネットに掲載されました。

この「日本の年収が低い」という意見に対するネットの反応で面白いものがいくつかあったので、それらについて話をしていきたいと思います。

まずはその記事を紹介しましょう。

 アメリカのエンジニアの平均年収|日本よりも400万円高い理由とは | TechStars Blog

それでは、アメリカと日本のエンジニアの平均年収を比較してみましょう。

アメリカ:857万円(※1)
日本:441万円 (※2)

アメリカと日本のエンジニアの平均年収は、アメリカの方が400万円以上も高くなっています。

ちなみにこの記事の筆者が言っているエンジニアとはソフトウェアエンジニアのことを主に指しているようです。

さて、この記事に対するネットの反応で目についたものをいくつか紹介しましょう。

  • 技術のレベル(日本のほうが低い)が違うから仕方がない
  • 物価が違うから日本のほうが安いのは仕方がない
  • アメリカのエンジニアは朝早くから夜遅くまで日本とは比べ物にならないほどたくさん働くから高いのは当たり前

「アメリカと比べて年収が低い」と言う話題が出ると必ずといっていいほどこのような意見を言う人が出てきます。

はっきり言って、私にはこれらの意見は彼ら自身の年収が他の国(ここではアメリカ)よりも低いことに対しての「根拠のない言い訳」にしか聞こえません

日本人の技術レベルはアメリカ人よりも低い?

技術のレベルが違うと主張する人は、アメリカのエンジニアはみんな天才ばかりでものすごい仕事をしている人達ばかりだとでも思っているのでしょうか?

もちろん、Googleに代表される大企業に勤めているような天才の人は技術レベルは非常に高いでしょうし、給料もたくさんもらっているでしょう。

しかし冒頭の記事ではあくまでもエンジニア全員の平均の収入の話をしているのです。

天才ばかりを集めた平均年収の話をしているのではありません。

そもそも、日本にも優秀な技術者はたくさんいますし、特に優秀というわけではなくてもきちんと仕事をこなしている人はたくさんいるでしょう。

アメリカ人にしても同じことです。

なので平均的に見て日本人のほうが劣っているということはないと思います。

冒頭の記事では、「アメリカのエンジニアはみんなIT系の学位を持っているため優秀であり、そのために高収入である」と指摘しています。

アメリカのエンジニアが高収入なのは、専門性の高さから社会的な地位が高い職業として考えられているためです。日本では、システムエンジニアになるために必要な学歴の規定は定められておらず、文系学部の出身でもエンジニアになることができます。しかし、アメリカでエンジニアになろうと考える人は情報系の学部を卒業し、そのほとんどは大学院で修士号、博士号を取得します。つまり、大学入学の時点で、エンジニアになれる人はごく少数に絞られてしまうのです。

私はオーストラリアで就職活動をしましたが、やはりオーストラリアにおいてもその分野の学位を求められることが多かったのは確かです。

しかし、だからと言ってオーストラリアのエンジニアの人達の技術レベルが日本人よりも特に優れているとか劣っていると感じたことはありません。

私は日本とオーストラリアの両方の国でソフトウェア技術者として働いたことがあるので、その経験上での話です。

ただ、日本においてはITとは全く関係のない学部を卒業してソフトウェア技術者として採用されるということは日常茶飯事です。
(私自身も日本の大学は文系でした)

従って、日本の新入社員は入社時は全く知識がないことが多いと思います。

しかしある程度の年数を経た後は学位を持っているかどうかでそれほど違いが出るとは思いません。

新卒で入った場合にどれだけ早く戦力になるかという意味では日本は劣っているかもしれませんが、それ以降はどの国の人であれ個人個人の能力や努力で差が出てくるということです。

いずれにしても、「技術レベルが違う」などと言う人は大概、実際に外国のエンジニアと仕事をしたことがなく、ネットなどからの情報で「なんとなく」海外のエンジニアはみんなGoogleやAppleの社員並に優秀なのだと思い込んでいるだけなのでしょう。

日本は物価が安いから給料も安い?

では物価の差はどうでしょうか?

タイミングよく物価を加味したグラフを掲載してくれている記事がありましたので、その数字を使わせてもらうことにします。

日本のソフト技術者、労働時間は最も長く、やりがいは最下位 国際比較 – ITmedia ビジネスオンライン

このページにある「5か国における年齢別の時給比較」のグラフは、本文から物価の差を計算に入れて調整されていることが分かります。

この資料によると、アメリカの31-40歳の時給は4800円程度のようです。

年収に換算すると、

4800円×8時間×5日×52週=998万4000円

ということになります。

これに対して同年齢の日本人は時給が約2200円のようですので、同じように計算すると457万6000円になります。

このグラフは年齢別になっていますが、冒頭のTechStars Blogの記事の数字に結構近い数字になっているのではないかと思います。

つまり、物価を計算に入れても日本の年収はアメリカの半分にも満たないということです。

悲しいですね。

しかも、このグラフによると年収が日本よりも低いのは中国だけという有り様です。

中国の人件費は年々上がり続けているようなので、このままいけば日本を追い越す日も遠くないでしょう。

この、「日本は物価が安いのだから給料も低いのは当然」という意見も、実際のデータに基づくものではなく、「日本はなんとなく物価が安く感じるから」とか、ネットかどこかで「欧米は何でも高い」などと書かれているのを見て想像して言っているだけに過ぎないのです。

アメリカのエンジニアは日本人よりも長時間働く?

アメリカ人のソフトウェアエンジニアの平均労働時間の情報を探してみたのですが、適当なものが見つからなかったので、その代わりに実際にアメリカでソフトウェア開発者として働いている人達のコメントを紹介したいと思います。

以下、英語のサイトですので興味がある人だけ見てみてください。

1. What hours do most software engineers work? – Quora

2. united states – Is it true that one is expected to work 60+ hours in the US software industry? – The Workplace

3. 10 Least Stressful Jobs of 2011 – 3: Software Engineer | CareerCast.com

1番と2番のサイトの人達のコメントによると、スタートアップやゲーム、金融関連の場合は、会社によっては時々週60時間も働くところもあると言っている人もいますが、週40時間、一日8時間が普通だし、それで十分という人がほとんどです。

また、40時間を超える場合もあるが、そういう時は次の週にその分だけ早く帰ると言っている人もいます。

3番目のサイトにおいても一日の労働時間は8~10時間程度だと書いてありますので、上記のコメントをしている人たちの意見は妥当であると言えると思います。

日本人はなぜか、「アメリカのエンジニアは毎日夜遅くまで働き、週末も働くから日本人よりももっと働いている」と信じている人が結構います。

こういったイメージは恐らくアメリカの一部の大企業やエグゼクティブの人たちの働き方をどこかで聞いて、あたかもアメリカ人のエンジニアが全員そうであるかのように勘違いしているのでしょう。

そういう人達は確かに長時間働いているかもしれませんが、彼らの給料は少なくても数千万円、人によっては億単位にもなるでしょう。

日本人のように過労死するほど長時間働いているのに手取りはたったの数十万円ぽっちなどという奴隷待遇とはワケが違うのです。

ところで、オーストラリアの場合、同じ職種の平均年収は$72,912豪ドルだそうです。

united states – Is it true that one is expected to work 60+ hours in the US software industry? – The Workplace

これまた物価の違いと為替レートの変動があるので一概には言えませんが、感覚的には私は日本で働いていた時よりもずっとたくさん稼いでいると思います。

え?「たくさん働いているんじゃないか?」って?

私の会社は実労働時間は一日7時間で、週に35時間しか働いていませんし、完全週休二日制です。

言い訳をして喜ぶのは会社ばかり

さて、ネットの意見で以下のように言っている人がいました。

「日本って企業は儲かってるけど給料は上げないんだよな」

全くその通りです。

日本の会社は儲かっていても社内に貯めるだけで社員の給料は中々上げない傾向にあると思います。

なぜか?

一つの原因は労働者自身にあると思います。

「日本は年収が低い」と言われても、「それならより良い待遇の会社を探そう」とか、「会社と交渉してより高い給料を要求しよう」という考えよりも先に、「技術レベル」だの「海外はもっと働いている」だのという言い訳ばかりで何もしないのですから、これほど会社にとって扱いやすい人種はいないでしょう。

海外との比較を聞いても、大して根拠のない言い訳をひねり出して「可哀想な自分」を納得させているような人に対して会社がわざわざもっと給料をくれるはずがありません。

また、日本の場合はサービス残業などを計算に入れたら時給に換算した給料がどれだけ酷いものになるか想像もつきません。

オーストラリアでもアメリカでもたくさん働いたらその分の給料か代休をもらうのは当然のことです。

アメリカで長時間労働している人達は、それに見合うだけの給料を貰っていますし、上記のアメリカ人達のコメントからも分かる通り、そもそも平均的なアメリカ人は日本人が思っているほど長時間働いていません。

長時間働かされているのはむしろ日本人のほうであり、それにもかかわらず安い給料しかもらっていない人がたくさんいるわけです。

アメリカやオーストラリアと比べて安い給料で働いているのに、その上サービス残業までさせられ、過労死までする日本の労働環境は本当に最低です。

そんな酷い環境で働いているのに、根拠のない言い訳で自分を納得させたところで救われませんし、そんな従順で反抗しない社員を持っていい思いをするのは会社だけなのです。

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